「be動詞」と「一般動詞」の違い
「be動詞」は存在・状態(~にある・~にいる・~です)を、「一般動詞」は動作(~をする)を中心に表すというのが、定義上の最も大きな違いです。とは言え、これだけだと何だかイマイチしっくりこないと思いますので、以降でもう少し掘り下げてみていきましょう。
まずは、英文を作るのに欠かせないVさん、動詞の働きについて考えていきましょう。英語の動詞には大きく分けて2つの種類があり、それはそれぞれ「be動詞」と「一般動詞」と考えられます。幾つかの例外を除き、be動詞と一般動詞がセットで一文に出てくることはありません。
なお、以下の全てを暗記する必要はありません。2種類の動詞の役割や使い分けの大枠を掴めば十分。勉強・暗記ではなく、サラッと読んで欲しいです♪
be動詞とは
「be動詞」はis, am, areの3種類。厳密には過去形や過去分詞形もありますが、ひとまずは現在形だけを考えましょう。「be動詞」は第1,2文型を作る動詞です。第1文型ではSVM、第2文型ではSVCのVとして機能します。それぞれでの「be動詞」の活用は、以下のような形になります。
このように、「be動詞」を用いることで主語を説明(例えば居場所・名前)できます。「be動詞」の意味は「(Sは)~にある・いる」または「(Sは)~です」と覚えておきましょう。なお、上記の例でもあるように「be動詞」の現在形は、主語の種類で形を変えて使用します。
主語の種類 | |||
---|---|---|---|
I | You / 複数形 | 三人称単数 | |
使用する「be動詞」 | am | are | is |
「be動詞」は第1,2文型で活躍し、Sを説明する動詞。主語の種類で形を使い分ける。
一般動詞とは
初心者の方は、ひとまず「be動詞以外の動詞=一般動詞」と考えましょう。一般動詞は、英語の5種類ある文型の全てで活躍する動詞で、英語の根幹をなす動詞と言えます。その意味は動詞ごとに異なるため暗記が必要ですが、原則的には「動作・状態」に関わる意味を持ちます。
このように、主語の動作や状態を表すのが一般動詞です。一番上の例では、主語が「テニスをプレイする」という動作を、そのほかの例では主語が「テニスが好き」、「錦織さんのこと知っている」という状態を表しています。なお、一般動詞の現在形も、主語の形によって形を変えます。
主語の種類 | ||
---|---|---|
三人称単数以外 | 三人称単数 | |
使用する「一般動詞」 | 動詞の原形 | 動詞の原形 + s / es |
※また、一般動詞「have」は例外中の例外で、三人称単数の際は末尾に「es」をつけるのではなく「has」を用いる。
💡三単現の例外ルール
現在形で一般動詞を使う際には、原則的に「動詞の原形の末尾にsまたはes」をつけます。「原則的に」としたのは例外ルールがあるから。例えば、yで終わる動詞(の一部)は「yをiに変えてからes」、oで終わる動詞には「es」をつけます。(study → studies / go → goes)
また、「s, sh , ch , x」で終わる一般動詞にも「es」をつけますが、これは発音してみれば理由が分かるでしょう。例えば「miss」のようにsで終わる一般動詞の後ろに三単現のsをつけると「misss」になりますが、これを発音するのは難しい(見た目も違和感ありますね)。
「s」は無声音で喉を鳴らさずに息で作る音ですから、それを二つ続けて発音するのは骨が折れます。ただ、追加する「s」を母音を含んだ「es」に変えれば、「misses」となり発音しやすくなります。英語は言語なのですから、使いやすいようにルールを変えるのは道理ですよね。
「一般動詞」は全文型で活躍し、主語の動作や状態を表す。主語によって形を変える。
一般動詞の種類(自動詞と他動詞)
「一般動詞」には自動詞のほか、「~を、~に」という目的語(O)を必要とする他動詞があります(be動詞は自動詞のみ)。多くの一般動詞は、自動詞的用法と他動詞的用法を併せ持ちます。なお、SVCの場合はS=Cと言えますが、SVOの場合はS=Oは成立しません。
多くの一般動詞には、自動・他動の2用法がある。なお、Oを用いてもS=Oは成立しない。
2種類の動詞は同時に使わない
先に軽く触れたように、基本的には「be動詞」と「一般動詞」が一つの文に同時に現れることはありません。後に学ぶ進行形や受動態などで両者は共演しますが、どちらかが少し形を変えることになります。基本的に、原形の両動詞が並ぶことはないと考えてOKです。
2種類の動詞はそれぞれに主役ですが、お互いに配慮してバッティングしないように努めているのです(笑)。さらに、共演するときでも、エゴの張り合いはしません。どちらかが少し形を変えたり、真ん中に目的語を挟んだりして衝突を避けるのです。ん、本当は仲が悪いのか…?
「be動詞」と「一般動詞」は同一文内で使わない。使う場合、動詞変形などが必要。
「be動詞」と「一般動詞」の使い分け
動詞の後ろに来るのがCなのかOなのかを考えると、使うべき動詞(一般動詞 or be動詞)を見分けやすいです。例えば、動詞を挟んだ単語同士がイコールの関係、または居場所・肩書として結びつきそうなら動詞の後ろの単語は「C」で、直前に入る動詞は「be動詞」と考えられます。
実用的なクイズではありませんが、ちょっとしたお遊びに挑戦してみましょう。仮に以下のような文章があったとして、()内に入る動詞(1語だけ)は「be動詞」と「一般動詞」のどちらでしょうか。なお、KenとYukiという二人の男女がいて、I=Kenという設定で考えてください。
答え : 「一般動詞」
二人は異なる人物なので、I = her は成立しない。従って、この文は「S V C」ではない。また、「her」は「she」の目的格で一般動詞の目的語となり得る。従って、この文は「S V O」で捉えるのが自然で、()に入るのは例えば「love」のような一般動詞(他動詞)。
答え : 「be動詞」
設定上、I=ケンであることは判明しているため、この文章はSVCと見ることができる。そうなるとSとCをイコールで繋ぐ役割を果たす「be動詞」を用いるのが最も自然。記憶喪失等の設定を付け足せば「turn out to be」なども入り得るが、字数制限を満たさない。
答え : 「どちらとも言えない」
「on the desk」は場所を表す修飾語(M)で、この文は第1文型(S V)。第1文型では「be動詞」または自動詞用法の「一般動詞」が使える。よって例えば I am / lay on the deskのように、どちらの動詞も入り得る。よって答えは、「どちらとも言えない」となる。
ズルいと言う声が聴こえて来そうですが、あくまでゲームとしてお楽しみください。この手の遊びを繰り返していると、英語が好きになって上達しますよ♪
さいごに
「be動詞」と「一般動詞」の使い分けは、慣れてくれば難しくありません。文型判断や意味推測などから、適切な動詞を選ぶことは訳もなくなります。英文を口にしたり書いたりしているうちに、英語思考が体に染みついてきますから、シンプルな練習を繰り返しましょう♪