英語の受動態をわかりやすく解説。その作り方・訳し方と豊富な例文集を掲載!

painting英語ペラペラへの文法

受動態と能動態

今回は英語の重要文法「受動態」を学んでいきますが、そもそも「受動態」とは何でしょうか?それを理解するため、いきなりですが例文をご用意しました。今回の例文では、この記事の一番上にある「男の人が絵を描いている様子」を2つの英文で表現しています。

He painted the picture. (彼はその絵を描いた)

The picture was painted by him. (その絵は彼によって描かれた)

上の文が能動態、下の文が受動態です。なお、受動態は「~は~される」という訳が当てられる文です。では以下で、能動態と受動態についてもう少し具体的に見ていきます!

主語の役割が違う

①では「彼」が「~を描く」という動作をするため、「He」は動作の主体です。一方、②では主語の「その絵画」は「~を描く」という動作主体ではなく、その動作対象(~される)です。このように、能動態と受動態では、主語と動作の関係が大きく異なります。

能動態の目的語は、受動態の主語

能動態の文を受動態に変える場合、能動態の目的語が受動態の主語に変わります。例えば、①の文章の目的語だった「the picture」は、②の文では主語になっていますね(赤字)。なお、詳しくは記事後半で扱いますが、目的語の無い文章を受動態に書き換えることはできません。

◆目的語の有無と受動態

I like these kids. (私はこの子供たちが好きだ)

 → These kids are liked by me. (この子供たちは私によって好かれている)

I stood up.(私は立った)

 →「stand up」は自動詞で目的語を持たないため、受動態は作れない

※他動詞の中にも、「resemble(~に似ている)」など受動態を作れないものもある。ただし、極めて例外的

受動態とは、主語が動作の対象となる文のことをいいます。また、「能動態での目的語」が「受動態の主語」になり、目的語の無い文を受動態にはできません。

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受動態の基礎文法

ではここからは、受動態の作り方や訳し方など、受動態の基礎を学びます。先に軽く触れたように、受動態は様々な文法と組み合わせて使うことができます。とはいえ、まずは「be動詞」以外に動詞を含まない、スタンダードなパターンから理解を始めましょう。

受動態の形と訳し方

受動態は、「be動詞+過去分詞」の形で表されます。能動態では主語が動作の主体となりますが、受動態の主語は動作の対象であって動作の主体ではありません。受動態の文のなかで動作の主体を明示したいときは、過去分詞の後に「by+人」を続けて表現します。

その形訳し方例文
主語be動詞過去分詞 +(by 人)主語は
~される
I am liked by him.
(私は彼に好かれている)
I was liked by him.
(私は彼に好かれていた)
※「be動詞」の時制を変えることで、受動態の時制を変更できる。(過去・現在・未来)
※「by 人」は基本的には省略してよい。誰が動作の主体なのかをあえて明示したいときのみ使うという認識でOK。

「be動詞+過去分詞」という形を取りさえすれば、様々な文法と組み合わせて受動態を作ることができます。基本を押さえれば、応用も難しくありません!

受動態の否定文の作り方

受動態の否定文は、「be動詞 + not + 過去分詞」の形で作ります。「be動詞」の後に「not」を置くのですから、通常のbe動詞の文を否定するときと同じルールですね。

その形訳し方例文
be動詞not過去分詞 +(by 人)主語は
~されていない
・He is not liked by her.
(彼は彼女に好かれていない)
The truth was not revealed.
(真実は明らかにされなかった)
※「be動詞」の時制を変えることで、受動態の時制を変更できる。(過去・現在・未来)
※「by 人」は基本的には省略してよい。誰が動作の主体なのかをあえて明示したいときのみ使うという認識でOK。

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受動態の疑問文の作り方

受動態の疑問文は、「be動詞」と主語の位置を入れ替えて作ります。これも、通常の「be動詞」を使った疑問文と同じです。なお、受動態を表す要素である過去分詞や「by 人」は元々の位置に残ります。あくまで「be動詞」だけが文頭に出るということですね。

その形訳し方例文
be動詞主語過去分詞 +(by 人)?主語は
~されますか?
Am I liked by him?
(私は彼に好かれていますか?)
Was I liked by him?
(私は彼に好かれていましたか?)
※「be動詞」の時制を変えることで、受動態の時制を変更できる。(過去・現在・未来)
※「by 人」は基本的には省略してよい。誰が動作の主体なのかをあえて明示したいときのみ使うという認識でOK。

「疑問詞」を含む場合

疑問詞を含むbe動詞疑問文は、疑問詞が主語の場合とそうでない場合でその作り方が異なります。受動態が含まれていても、そのルールに変更はありません

★疑問詞が主語になっている場合

その形(S V…?)訳し方例文
疑問詞be動詞過去分詞 +(by 人)?疑問詞
による
Which was made by her?
どちらが彼女に作られましたか?)
※赤字の通り、疑問詞が主語になっている。

疑問文が主語になる疑問文は「疑問詞+be動詞…?」で作れます。受動態の疑問文を作る場合は、「be動詞」の後に過去分詞と「by 人」を続ければOKです。

★疑問詞が主語ではない場合

その形(疑問詞 V S…?)訳し方例文
疑問詞be動詞主語過去分詞 +(by 人)?疑問詞
による
What was this item called?
(この道具は何と呼ばれていましたか?)
Who was the lady helped by?
(あの女性は誰に助けられましたか?)
※2文目の文末に「by」がある訳は、以下の通り。①■は☆に助けられた」は「① ■ was helped by ☆」。①を疑問文にすると、「②■は☆に助けられましたか?」で「②Was ■ helped by ☆?」となる。今回は助けた対象を問いたいので、☆ではなく「誰」を意味する「who」を用いる。疑問詞「who」は文頭に置くのがルールなので、文頭に移動して「Who was ■ helped by?」となる。なお、今回は「■=the lady」。

疑問詞は先頭に出した後は無視してOKです。疑問詞以降に、通常の「be動詞」疑問文を作りましょう。主語を受動態の要素(be動詞と過去分詞)で挟み込むイメージを持ってもよいですね。なお、2文目は「by」を文頭に出して「By whom was the lady helped?」でもOKです。

疑問文を考える際のヒント

疑問詞入りの受動態疑問文は、以下のような考え方で作ることもできます。即答が求められる場面では活用は難しいですが、考える時間が与えられる場面では役に立つこともあるでしょう。

◆疑問詞が主語の場合

疑問詞が主語の場合の疑問文は「疑問詞+V…?」で作ることができます(肯定文と同じ並び)。受動態の場合はVが「be動詞」で、受動態を表すためにその「be動詞」の後ろに「過去分詞」を続けます。最終的な形は「疑問詞+be動詞+過去分詞…?」になります。

▼そこでは何が見つけられたのですか?

① 主語となる疑問詞を決めて文頭に置く。ここでは「what」が相応しい。

② 疑問詞の直後に動詞を続ける。ここでは「be動詞(was)+過去分詞(found)」

③ ①と②から、正答「What was found there?」を得る。

◆疑問詞が主語ではない場合

受動態を含む疑問文に含まれる疑問詞を先頭に置き、その後ろに受動態の疑問文を作ります。または、疑問詞を全く別の記号などに置き換えてしまい、問題を先送りした後で後で元に戻すという手法を取るのも良いでしょう。その場合の思考プロセスは、以下の通りです。

その若い男性は誰に呼ばれたのですか?

① 「誰に」を■など全く英語上の意味を持たない記号にしてしまう

②疑問文の内容を事実とした文を作る(=その若い男性は■に呼ばれました)

③英訳する(The young man was called by ■.)

④疑問文にする(Was the young man called by ■?)

⑤文頭に■を出し、疑問詞に変更して完成 (Who was the young man called by?)

▼その家は誰に建てられたのですか?

① 「誰に」を◎とする。

② その家は◎に建てられました。

③ The house was built by ◎.

④ Was the house built by ◎?

Who was the house built by?

受動態の例文集

ここまで扱ってきた受動態の基礎を使う例文を以下にご用意しました。受動態が得意な方には手ぬるく感じられるかもしれませんが、歯ごたえのある例文はこの先の応用編でご紹介してきます。まずは、基礎中の基礎、簡単な受動態で足場固めをしましょう。

◆受動態の例文集(基礎編)

受動態は「be動詞過去分詞」の形で作られます。動作の主体を表す「by 人」は、つけてもつけなくても構いません。疑問文、否定文を作る時は通常の「be動詞」文法に従います。疑問詞が入る文でも同様です。基本に忠実に、一つ一つ理解していきましょう♪

① This cup was made by her. (このカップは彼女によって作られました)

② The building was built by us. (この建物は、私たちによって建てられました)

③ You are not liked by her.(君は彼女に好かれてはいない)

④ Who was the MVP award gotten by?(MVPは誰によって獲得されたのですか?)

⑤ What are these yellow things made from?(この黄色いものたちは何でできているの

Was the picture stolen? (その絵画は盗まれたのですか?)

Is the lunch always cooked by your father?(お昼はいつもお父さんがつくるの?)

⑧ You are really loved by your parents.(君はご両親から本当に愛されているね)

⑨ This fact is not known by him.(この事実は彼に知られていません)

⑩ His curveball was hit hard by Shohei. (彼のカーブボールはショウヘイに強打された)

ここまでが受動態の基礎でした。疑問文でも否定文でも、基本的ルールはbe動詞を含む普通の文章と変わりません。基礎文法を理解できれば怖くないですよ♪

群動詞の受動態

例えば「look at」や「look up to」のように、2語や3語から構成される動詞群を「群動詞」と言います。群動詞は一つの単語としてみなせるので、通常の動詞と同じように受動態を作れます。なお、覚えるべき群動詞は以下の記事でまとめています!

◆群動詞の受動態

①の文で受動態を作る際は、目的語「the picture」を主語とし、その後に「be動詞+過去分詞」を続けます。主語は単数で時制は過去なので、「be動詞」は「was」。群動詞「look at」は通常の一語動詞とみなせるので、過去分詞形は「looked at」です。

① I looked at the picture.(私はその絵を見た)

 → The picture was looked at by me.(その絵は私に見られた)

I look up to her.(私は彼女を尊敬している)

 → She is looked up to by me. (彼女は私に尊敬されている)

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受動態の応用文法

受動態のコアは「be動詞+過去分詞」です。この形をベースに「be動詞」の前に助動詞を追加したり、「完了形を表す「have」を追加したり、不定詞に受動態を埋め込んだりもできます。なお、これらの否定形・疑問形も通常ルールに沿って作ることができます。

応用例受動態の形(肯定文)意味例文
助動詞主語 + 助動詞 + be
過去分詞 +(by 人)
助動詞による・It can be done.
(それは実現されるかもしれない)
・It must not be done.
(それは、なされてはならない)
Will it be done by him?
(それは彼によってなされるだろうか?)
完了形主語 + have + been
過去分詞 +(by 人)
・経験
・継続
・完了
・I have been bothered by him.
(私は彼に悩まされ続けています)
進行形主語 + be動詞 + being
過去分詞 +(by 人)
~されるところだ・This article was being written.
(この記事は書かれているところだった)
赤字が助動詞などの追加要素青字が受動態の形(be動詞+過去分詞)を表している。厳密に言えば、「been」は完了形の、「being」は進行形の構成要素でもあるが、ここでは受動態の構成要素としている。
※完了形の「have」には「has」や「had」も入る。

受動態と結びつく「助動詞」「完了形」「進行形も、それぞれ個別記事で解説しています。リンクを張っておきますので、併せておさらいしましょう!

受動態と助動詞(例文集つき)

上の表にあるように、受動態を表す「be動詞+不定詞」の直前に助動詞を置くことで、助動詞と受動態を掛け合わせた表現を作ることができます。助動詞の後は動詞の原形がくるのがルールですので、「助動詞+be+過去分詞」という形になる点に注意しましょう。

用例受動態の形意味例文
肯定主語 + 助動詞 + be過去分詞助動詞による・It should be tried.
(それは挑戦されるべきだ)
否定主語 + 助動詞 + notbe過去分詞助動詞による・It will not be achieved.
(それは、達成できないだろう)
疑問助動詞+主語+be過去分詞…?助動詞によるMust it be declared?
(それは宣言されなくてはならないの?)
※受動態の形から「by 人」は省略している。もちろん必要ならば、つけてもよい。
赤字が助動詞の追加要素青字がもともとの受動態の形(be動詞+過去分詞)を表している。

◆受動態と助動詞を使った例文集

以下に受動態と助動詞を使った例文をご用意しました。なお、助動詞を赤受動態を青色で表示しています。以下の全ての文について、その構文をしっかり理解できるようになることが第一目標。それができたら、自分でオリジナルの文を作る練習をしてみましょう!

① Your voice might be liked by her.(君の声は彼女に好かれるかもね)

② All homework must be submitted now.(全ての宿題は今提出されなければなりません)

Will this song be sung by a famous singer?(この曲は有名な歌手に歌われるでしょうか?)

④ This game will be watched around the world. (この試合は世界中で観戦されるだろう)

⑤ Your attitude should be improved. (君の態度は改善されるべきだ=態度悪いよ)

Would I be scolded by the teacher?(私は先生に怒られるだろうか?)

This defect needn’t be made public.(この欠陥は公開される必要はありません)

⑧ His fame can be damaged by this scandle.(彼の名声この不祥事で傷が付きうる)

Must this information be confirmed? (この情報は確かめられなければなりませんか?)

Can the suspect be caught?(容疑者を捕まえることはできるでしょうか?)

受動態と完了形(例文集つき)

受動態の形「be動詞+過去分詞」さえ維持していれば、受動態と完了形を併用することもできます。併用する場合の形は、「have / has / had + been + 過去分詞」です。完了形には、「完了・継続・経験」の3つの意味がありますが、文脈によってどの意味になるのか判断しましょう。

用例受動態の形意味例文
肯定主語 + have + been過去分詞・経験
・継続
・完了
・It has been banned by the rules.
(それは規則によって禁止されている)
否定主語 + have + notbeen過去分詞・He has not been encouraged.
(彼は勇気づけられてこなかった)
疑問Have+主語+been過去分詞…?Have the rules ever been doubted?
(その規則が疑問視されたことはあるの?)
※主語が三人称のとき、完了時の助動詞「have」は「has」になる。
赤字が助動詞の追加要素青字がもともとの受動態の形(be動詞+過去分詞)を表している。
※受動態の形から「by 人」は省略している。もちろん必要ならば、つけてもよい。

◆受動態と完了形を使った例文集

二つを併用する際は「have been 過去分詞」という形を用います。疑問形や否定形を作るときは完了形と同様のルールです(疑問形=「Have 主語 been 過去分詞?」、否定形=「主語 have not been 過去分詞」)。なお「have」の所は、「has/had」も入ります。

① I have just been kicked out by her father.(ちょうど、彼女の親父に追い出された)

Have you ever been welcomed by her father?(君は彼女の父親に歓迎されたことはあるの?)

An interesting topic has been brough up.(興味深い話題が持ち出された)

I have been plagued by him. (僕は彼に悩まされ続けている)

Have you ever been treated well? (君は丁寧に扱われたことはあるの?)

⑥ I have never been treated right by him.(僕は彼から正当な扱いを受けたことは一度もない)

⑦ She has been told to break up by her father.(彼女は父親から、別れろと言われている)

⑧ Her life has been saved.(彼女の生活は守られ続けている)

Honestly, I have been made to cry by him.(正直、僕は彼に泣かされてきました)

⑨ I think you have been tested all along. (私は、最初からずっと君は試されているのだと思う)

I had never been welcomed till I changed myself.(私は自分を変えるまで、一度だって歓迎されなかった)

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受動態と現在進行形(例文集つき)

「be動詞+過去分詞」という形さえ守れば、受動態と現在進行形を併用することもできます。形としては「be動詞+being+過去分詞」となり、その意味は「~されているところだ」です。進行形と組み合わせることで、受動態の状態(~される)を強調できます。

用例受動態の形意味例文
肯定主語 + be動詞 + being過去分詞be動詞次第
(されている

いた、
いるだろう
・The house is being built.
(その家は現在建設中です)
・The house was being built.
(その家は建設中でした)
・The house will be being built tomorrow.
(その家は明日には建設中だろう)
否定主語 + be動詞 + notbeing過去分詞・The song isn’t being sung.
(その歌は歌われているところではない)
・The song wasn’t being sung.
(その歌は歌われているところではなかった)
・The song won’t be being sung.
(その歌は歌われているところではないだろう)
疑問be動詞+主語+being過去分詞…?Is the pen being used?
(そのペンは使われているところですか?)

Was the pen being used?
(そのペンは使われているところですか?)
・Will the pen be being sung
(そのペンは使われているところだろうか?)
※受動態を過去進行形や未来形と併用するもでき、過去や未来の状態を強調できる。
※受動態の形から「by 人」は省略している。もちろん必要ならば、つけてもよい。
赤字が助動詞の追加要素青字がもともとの受動態の形(be動詞+過去分詞)を表している。

◆受動態と進行形を使った例文集

be動詞being受動態」の形は、前半部分が進行形、後半部分が受動態を表しています。ここでの「being」は「~でいる、ある」を表す「be動詞」の進行形です。また、「being」は当然「be動詞」ですから後ろに「過去分詞」を付ければ受動態を作れるのです。

① The computer is now being set up.(そのコンピューターは今、設定されているところです)

Are the birds being attacked(その鳥たちは襲われているところでしょうか?)

The matter is not being discussed.(その件は議論されているところではない)

The laptop was being fixed. (そのノートパソコンは修理されているところだった)

⑤ The book was being read by her. (その本は彼女に読まれているところだった)

⑥ That thing was not being mentioned.その件は言及されたところではなかった=されていない

⑦ My English skills are being improved.(私の英語力は向上しているところだ)

⑧ My room was being cleaned by my mother.(私の部屋は母親に掃除されているところだった)

My interest for music was being lost.(私が持つ音楽への関心は失われつつありました)

⑨ The team I root for is being booed. (私の贔屓チームはブーイングを受けているところです)

知覚動詞と使役動詞の受動態

知覚動詞(人の感覚に関連する動詞)と使役動詞(人に~させるなどを意味する動詞)についても、通常の受動態の形の後ろに不定詞/現在分詞を続けることで受動態を作れます。詳しくは別記事で解説しているので、そちらをご確認ください!

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能動態から受動態への書き換え

テストで頻出、能動態を受動態に書き換えるパターンは以下の通りです。正直、私は書き換えの練習はさほど実用的な英語力に繋がるとは思っていないのですが…。別表現で言い換えた方が自然だったりもしますからね。ただ、テストなどで必要な場合は、最低限以下を押さえましょう。

No.書き換え前の文書き換え後例文(緑色が受動態の形)
1S V O 型
(第3文型)
Oを主語にするI like this cat.
(私はこの猫が好きです)
This cat is liked by me.
(この猫は私に好かれている)
S V O1 O2
(第4文型)
O1を主語にする
O2
を主語にする
He taught me English.
(彼は私に英語を教えた)
①→ I was taught English by him.
(私は彼に英語を教えられた)
②→ English was taught to me by him.
(英語は彼によって私に教えられた)
S V O C
(第5文型)
Oを主語にする・She found the book boring.
(彼女はその本をつまらないと思った)
The book was found boring by her.
(その本は彼女につまらないと思われた)

・He made his car run.
(彼は自分の車を走らせた)
His car was made to run by him.
(彼の車は彼によって走らされた)
※第5文型で使役・知覚動詞が使われ「SVOC」のOが動詞の原形でも、書き換え時には「to+動詞の原形」にする。

SVOの能動態を受動態に書き換える

これは、能動態から受動態への書き換えで最も簡単なパターンです。受動態は他動詞の目的語を主語にするので、第3文型「SVO」の「O」を主語として受動態を続ければOKです。この形は受動態の基礎中の基礎なので、まずはこの形での受動態をしっかりと作れるようにしましょう。

◆SVOの文を受動態に書き換える

「SVO」の文を受動態に書き換える際は、「O」を主語とし後ろに受動態を続けます。受動態の形は「be動詞+過去分詞」。主語と時制に対応した「be動詞」を続けます。なお、書き換えの問題では、受動態の後ろに動作の主体「by 人」を追加するのを忘れずに。

① Tom knows the truth. (トムは真実を知っている)

 → The truth is known by Tom.(真実はトムに知られている)

② I played tennis.(私はテニスをした)

 → Tennis was played by me.(テニスは私によってプレイされた)

She watched the game. (彼女はその試合を観戦した)

 → The game was watched by her. (その試合は彼女に観戦された)

④ He read the book. (彼はその本を読んだ)

 → The book was read by him.(その本は彼によって読まれた)

⑤ I clean my room every day. (私は毎日自分の部屋を掃除する)

 → My room is cleaned by me every day.(私の部屋は毎日私に掃除される)

SVOOの能動態を受動態に書き換える

続いて、第4文型の「SVO1O2」の書き換えを学びましょう。多くの場合、第4文型「SVO1O2」の書き換えは、「O1,O2」とも主語にすることができます。ただし、一部の動詞はO2しか主語に取れないので、書き換え問題でのひっかけを避けるには、O2で書き換えると安全です。

◆SVOOの文を受動態に書き換える

「SVO1O2」は、O1」「O2の両方を主語にできます。ただし、「O2」を主語として受動態に書き換える際には、動作の対象を表す前置詞を用います。前置詞は第3文型への書き換え時に使うものを用いましょう(「give」なら「to」、「buy」なら「for」など)。

① Tom gave her his watch. (トムは彼女に彼の時計をあげた)

 O1が主語→ She was given the watch by Tom. (彼女はトムによって時計を贈られた)

 O2が主語→ His watch was given to her by Tom. (トムの時計は彼によって彼女に贈られた)

② Jerry sent Tom the cheese.(ジェリーはトムに彼のチーズを送った)

 O1が主語→ Tom was sent the cheese by Jerry.(トムはジェリーによってそのチーズを送られた)

 O2が主語→ The cheese was sent to Tom by Jerry.(そのチーズはジェリーによってトムに送られた)

SVOCの能動態を受動態に書き換える

最後に、第5文型「SVOC」を受動態に書き換えるパターンを学んでおきましょう。第5文型を受動態に書き換える場合、主語になれるのは「O」のみです。作るべき文の意味を考えれば、Cを主語にするのは不自然なのは明らかです。小手先の対策より、本質的な理解が重要ですね。

◆SVOCの文を受動態に書き換える

「SVOC」を受動態にする場合、主語に選べるのは「O」だけです。「O」を主語としたら、時制や主語の単複に応じて「be動詞」を選び、その後ろに「過去分詞」をつけ受動態を作ります。その形は、「 S(能動態のO)+ be動詞過去分詞」となりますね。

① He kept his dog healthy. (彼は彼の犬を健康に保った)

 His dog was kept healty by Tom.(その犬はトムによって健康に保たれた)

 ×Healty… (形容詞を主語にすることはできない!)

② Tom calls the dog Pochi. (トムは彼の犬をポチと呼んでいる)

 〇 → The dog is called Pochi by Tom. (その犬はトムによってポチと呼ばれている)

 × → Pochi…(ポチは名詞なので主語にはできるが、同じ意味の受動態は作れない!)

Tom heard Jerry sing.(トムはジェリーが歌うのを聞いた)

 → Jerry was heard to sing by Tom.(ジェリーはトムに歌うのを聞かれた)

※使役動詞・知覚動詞の「SVOC」を受動態に変える場合、動詞は不定詞にする。

Tom made the boy laugh. (トムはその子供を笑わせた)

 → The boy was made to laugh by Tom. (その少年はトムによって笑わされた)

※使役動詞・知覚動詞の「SVOC」を受動態に変える場合、動詞は不定詞にする。

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確認クイズに挑戦しよう!

それでは、受動態の理解を試す確認クイズに挑戦です!。全ての問題をラクラク正解できるようになるまで、何度も繰り返し挑戦してみてくださいね。英語力向上に重要なのはセンスではなく反復練習。繰り返し練習すれば、その努力は必ず報われますよ

答え:The book was bought by him.

「~は~される」は受動態で表すことができる。受動態の基本形は「主語+be動詞+過去分詞」である。今回の主語は「その本」で、時制は過去。従って「The book was bought 」という文が作れる。なお、「~によって」は受動態の後ろに「by 人」を付けることで表現できる。これらのことから正答「The book was bought by him.」を得る。

答え:The picture is not liked by her.

「~は~される」は受動態で表せる。今回はその否定形「~は~されない」を使えばよい。受動態の基本形は「主語+be動詞+過去分詞」で、否定形は通常の「be動詞」の文と同じく、「be動詞」の直後に「not」を置いて「主語+be動詞+not+過去分詞」でOK。

今回の主語は「その絵画は」=「the picture」という単数名詞。時制は「いません」なので現在。主語は単数・時制は現在なので使うべき「be動詞」は「is」。これに否定の「not」を続けて「isn’t」を作る。使うべき過去分詞は「liked」で、行動の主体を示す「by her」をつけて正答「The picture isn’t liked by her」を得る。

答え:Was this book written by Tom?

「~は~される」は受動態で表すが、今回はその疑問文。受動態の能動態は「主語+be動詞+過去分詞….」で表すが、その疑問文は主語と「be動詞」の順番を入れ替えて作り、「be動詞+主語+過去分詞…?」となる(これは「be動詞」を使う普通の疑問文と同じルール)。

「この本はトムによって書かれました」という受動態を作る場合、「This book was written by Tom.」になる。この文で「be動詞」と「主語」の位置を入れ替えれば疑問文になるので、正答「Was this book written by Tom?」を得る。

答え:Who was Tom taught English by? (By whom was tom taught English?)

疑問詞と受動態を含み、かつ疑問詞が主語でないパターン。この場合、誰によってを表す「By whom」を文頭に出したうえで、誰によってと言う要素を抜いた「トムは英語を教えられたのですか?」という疑問文を作って後ろに繋げるのが最も早い。「By whom was Tom taught English?」となる。

この考え方が良く分からない場合は、記号を使うなどして順序だてて考えても良い。まず「トムは■に英語を教えられました」=「Tom was taught English by ■.」を作る。それを疑問文にして、「Was Tom taught English by ■?」にしたうえで、「■」を文頭に出す。「■」を疑問詞に戻して、「Who was tom taught English by?」を得る。

答え:The car is being fixed now.

「~は~されている」は受動態で表せるが、今回作りたい日本語には「~しているところ」という進行形の要素も含まれている。受動態は進行形とも組み合わせることができるので、今回は進行形で受動態を作る。今回の主語は「The car」で、時制は現在。

進行形で受動態を作る時は「主語+be動詞+being+過去分詞」になる。過去分詞は「fixed」。今回の主語と時制を考えると「The car is being fixed」という形ができる。後は、「今」を表す「now」を文末に加えて正答「The car is being fixed now」を得る。

答え:It must not be mentioned.

「~してはならない」は「must not」で表される。今回は「されてはならない」なので、この「must not」と受動態を組み合わせる。助動詞の後ろにつく動詞は原形になるため、まずは「must not」の後ろに「be動詞」の原形「be」を置く。

その後ろに過去分詞を続ければ「be動詞+過去分詞」の形が成立し、受動態を表現できる。今回の主語は「It」なので、「It must not be mentioned.」を得る。

答え:My wallet was stolen.

急に基礎に戻ったので、深読みしただろうか。この問題にはひっかけはなし。「~は~される」は、受動態で表せる。受動態の形は「主語+be動詞+過去分詞」。今回の主語は「My wallet」で単数で、時制が過去なので、使うべき「be動詞」は「was」。

使うべき過去分詞は盗むを表す動詞「steal」の過去分詞「stolen」。主語から順番に並べると、「My wallet was stolen.」が完成する。

答え:Will this game be suspended due to this rain?

やや難しい。「~は~される」の文だが、未来形を含むため「will」との併用が必要。さらに、疑問文にする必要がある。助動詞と受動態を能動態で併用する場合は「助動詞+be動詞+過去分詞」となる。まずは能動態で「この試合はこの雨で延期されるでしょう」を作る。

主語は「This game」なので、まずは「This game will be」とする。ここに過去分詞を続ければ、「be動詞+過去分詞」の流れが成立し、受動態を作れる。今回は過去分詞には「suspended」を使う。これを並べて「This game will be suspended(この試合は延期されるでしょう)」が出来た。なお、原因を表す表現には「because of 」などもあるが、ここでは「due to」を採用し「due to this rain」として後ろに続ける。

これで「This game will be suspended due to this rain.(この試合はこの雨で延期になるでしょう)」が完成。あとは、助動詞を使った疑問文の基本ルールに従って、助動詞を文頭に出せば疑問文になる。正答「Will this game be suspended due to this rain?」を得る。

答え:The video game was bought by Tom.

シンプルな書き換え問題。深く考えないと答えが分からない場合、まだ受動態への慣れが足りないかもしれない。とは言え、あくまで慣れの問題なので、繰り返し学習していれば大丈夫。「こんな簡単な問題出さないでよね」と思えるまで、繰り返し学習しよう。

さて、書き換え元の文章は「SVO」の文章。SVOの文章を書き替える時はOを主語にする。と、理論的に考えても良いが、日本語の意味を考えれば、「The video game」が主語になることは分かるはず。また、時制が過去形であることもチェックしておこう。

受動態は「主語+be動詞+過去分詞」なので、「This game was bought」ができる。また、「トムによって」という意味を付け足すために「by Tom」を直後に入れる。これで正答「The video game was bought by Tom.(そのゲームはトムによって買われた)」を得る。

答え:He was made to run by me.

使役動詞「make」を使った第5文型「SVOC」の書き換え問題。使役動詞(make/let/have)や知覚動詞(hear/see/watch/feelなど)で第5文型を使う場合、Cは動詞の原形が入ることがある。ただし、その能動態を受動態に書き換える場合は、「be動詞+使役動詞の過去分詞+to+動詞の原形」となり、「to」が必要になる。

さて、「SVOC」の文を能動態にする場合、主語になるのは「O」。つまり「him」だが、主語にするには主格にする必要があるので、「him」は「He」に変わる。時制は過去なので「be動詞」はwas。過去分詞は「made」で、後ろに不定詞を繋げる。よって、「He was made to run」となり、そこに「~によって」を表す「by me」を付けて完成。

なお、個人的には、特にこの「make」を使った表現は会話でも頻出なので、是非覚えていただきたい!「~させられたんだよ」を表現するときに役立つので、単なるテスト勉強の枠を超えて、英語力向上のために是非覚えておこう!

さいごに

受動態は「be動詞+過去分詞」で表現でき、「~は~される」と言う意味を表します。また、進行形や不定詞、完了形と組み合わせることができるなど、応用の利く文法です。複雑に思えるかもしれませんが、「be動詞+過去分詞」の形は変わらないので慣れさえすれば大丈夫ですよ!

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