過去完了とは
過去完了は「had + 過去分詞」の形で表される完了形の一種です。過去完了の理解には、現在完了の理解が前提となります。逆に、もし現在完了の理解ができていれば、その理解もしやすいです。現在完了の理解が曖昧な方は、まずは以下の記事をご覧ください!
過去完了形の基本
それでは、過去完了形について学んでいきましょう!まず最初に過去完了形の作り方などの基礎を学び、そのうえで現在完了形との違いも学んでいきます。完了形を使いこなせると英語力がグーンと伸びますから、楽しく学んでいきましょう♪
過去完了の作り方・訳し方
過去完了形には現在完了形と同じく「経験」「継続」「完了」の3つの用法があります。なお、過去完了形は「had+過去分詞」で作られます。現在完了形の「have」が「had」に変わっているだけですね。なお、「had」は主語人称に関わらず常に「had」です。
過去完了は、過去のある時点を基準にしてそこまでの経験・継続・完了を表す文法です。基準点を示す場合は、「when/till/before」などから始まる過去を表す節を作ったり、「said/told」などの「that」節を従える一般動詞の過去形を用いたりします(※)。
その形 | 用法 | 意味 | 例文 |
---|---|---|---|
主語 + had+ 過去分詞 … . | 経験 | (過去のある時点までに) ~したことがあった | ・I had seen the movie twice before I turned ten. (私は10歳になる前に、その映画を2回見たことがあった) ・He said that he had been there before. (彼は以前にそこへ行ったことがあると言った) |
継続 | (過去のある時点まで) ずっと~だった | ・I had been there till she finally showed up. (彼女がようやく姿を現すまで、私はずっとそこにいた) ・I told her that I had been a big fan of the Angels for ten years. (私は彼女に、自分が十年来のエンゼルスファンだと伝えた) | |
完了 | (過去のある時点までに) ~してしまっていた | ・I had already eaten it when she came back. (彼女が帰って来た時、私は既にそれを食べてしまっていた) ・The man admitted that he had already become a criminal. (その男は自分が既に犯罪に手を染めたことを認めた) |
※基準となる過去を青ライン、基準点(青ライン)よりも前に起こった大過去を赤ラインで示した。補足説明は後述
※「that」節を取らないパターンでも基準点になる(I was so excited to see him because I had never met him before)。大事なのは、描写したい過去より前に起きたことを説明する際は、大過去「had+過去分詞」を使うということ。
「had+過去分詞」は過去の基準点より前の出来事を示します。例えば一つ目の例文では「I turned ten」と過去形が使われていますが、「had + 過去分詞」はこの過去より前であることを示します。また、「said」に対しても同様で、彼は発言するより前に「そこに行った」のです。
過去完了の疑問文
過去の一点を基準とし、それより前の状況を尋ねる際には過去完了を使います。ただ「before/after」のような時系列を明示する前置詞を用いる場合、普通の過去形を用いることが多いです。会話では、過去完了を使わなくてもOKですね。
その形 | 答え方 | 例文 |
---|---|---|
Had + 主語 + 過去分詞 … ? | Yes, 主語 had. No, 主語 hadn’t | ・Had he known it before he came here? (ここに来る前に、彼はそれを知っていたの?) →( Did he know it before he came here?) → Yes, he had. (はい、知っていました) → No, he hadn’t.(いえ、知りませんでした) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・How long had you lived there before you came here? (ここに来る前、貴方はそこにどのくらい住んでいたのですか?) →( How long did you live there before you came here?) → I had lived there for two years. (私はそこに2年住んでいました) |
過去完了の否定文
過去完了の疑問文の作り方も、完了形の基本に忠実。「had」の直後に「not/never」を置けば、否定文が完成します。こちらも、時系列が接続詞等で明示されていれば過去形で代用可能です。
その形 | 例文 |
---|---|
主語 + had + not / never +過去分詞 … . | ・I had never visited the place before I turned 20. (私は、20歳になる前はその場所に行ったことが無かった) ≒ I didin’t visit the place before turning 20. ・She had not read his letter yet before he came back. (彼の帰還前の時点で、彼女はまだ彼の手紙を読んでいなかった) ≒ She didn’t read his letter before he came back. |
過去完了形と現在完了の違い
ここまで扱ってきたように、過去完了形と現在完了形は、作り方や用法は殆ど同じでした。ただし、実は大きく異なる部分もあります。それは、例えば以下のような点です。
①描写する時点が違う
現在完了は過去からの影響を示唆しながら現在を描写する文法でした。つまり、過去~現在を扱う、時間軸に幅がある文法だったと言えます。過去完了でもこの考えは同じですが、過去完了が扱う時間軸は過去にズレて、更なる過去(大過去)~過去になるという点が異なります。
(大過去) | (過去) | (現在) | |
上の図は、現在完了と過去完了の考え方を簡略化したものです。現在完了では、完了・経験・継続を表現できますが、それらは全て緑色の帯の中で起こったこと。そして、現在完了が描写するのはあくまで現時点(帯の右端)で、その「現時点」を緑帯内での出来事を絡めて描写します。
一方、過去完了も経験・継続・完了を表せますが、描写対象は現在ではなく過去の一点。そして、その過去の一点をもっと過去のことと関連付けて描写します。過去完了は、現在完了と同じく時間の幅を持つ一方、その描写対象は現在ではなく過去の一点なのです。
茶番で学ぶ「大過去」
理解を深めるため、太さんと雪さんの二人のライフイベントを完了形を使って描写します。二人の出会いは2011年。当時の雪には別の恋人がいたもののほどなく破局。その後二人は交際を始め2015年に結婚し、2020年には子供も誕生。仲良しの二人は、喧嘩をしたこともないとします。
大過去 (2010) | 過去 (2015) | 現在 (2020) | |||
出 | 破 交 | 昇 | 結 婚 | 子 供 | |
会 | 局 際 | 進 |
※ここでは、便宜上2020年=現在とする。
◆現在完了で見る二人(緑帯)
この世の春を謳歌する二人の2020年の現状を、現在完了で説明していきます。まず、彼らは出会ってから現在(2020年)に至るまで一度も喧嘩をしていません(上)。また、彼らは結婚して5年で(中)、ちょうど子供が生まれたばかりのところです(下)。
経 They have never had a quarrel since they met .(出会って以来、彼らは一度も口論をしたことがない)
継 They have been married for five years. (彼らは結婚状態が5年続いている=結婚して5年だ)
完 She has just had a baby.(彼女はちょうど赤ちゃんを出産したところです)
どの文章も、過去と関連付けながら現在を語っている点に注目しましょう。3つの例文はそれぞれ、「出会ってから今まで喧嘩をしたことがない」、「結婚してから今までで5年経った」、「(色々な過程を経て)ちょうど今赤ちゃんが生まれた」という感じですね。
◆過去完了で見る二人(青帯)
この世の春を謳歌する二人が懐かしく振り返る、過去の状況を過去完了で描写してみます。まず、太は雪と出会うまでは異性に惹かれた事がなく(上)、二人が出会ったとき雪には別の恋人がいて(中)、結婚の直前に太郎は昇進した(下)という感じです。
経 He had never fallen in love before he met her.(彼は彼女に会う以前、一度も恋したことが無かった)
継 She’d been in a relationship for a year when they met. (二人が出会った時、彼女には1年交際中の相手がいた)
完 He had just been promoted when they got married.(二人の結婚時、太郎はちょうど昇進した所だった)
どの文章も大過去~過去の青帯の中の出来事を扱い、過去の話をしています。例えば、(上)と(中)の文では、出会った当時という過去をそれ以前(大過去)と結びつけて描写し、(下)は二人の結婚という過去をそれ以前(大過去)と結びつけて描写しています。
過去完了でも、二人が現在時点にいるのは変わりません。現在完了でも過去完了でも、2015年は過去なのです。まぁ文法名から考えても当たり前でしょうか?
②「when」が使えるか(過去節を使えるか)
現在完了では過去を明確に表す表現が使えず、「when」を使った過去節を用いることができませんでした。しかし、過去完了は過去の一点を述べる文法ですから、「when+過去文」との相性はむしろ最高。過去完了の文では、基準となる過去を描写する際に「when」が多用されます。
◆基準となる過去時点を描く
現在完了は現在を述べる文法なので、過去を明示する表現を併用できません。一方、過去完了は過去を述べる文法なので、過去時点を示す「when」を使うことができます。なお、過去時点を描写する節では「till(~まで)」や「before(~の前)」も用いられます。
× She hasn’t come home yet when I came home.(現在完了と過去節は併用できない)
〇 She had already come home before I came home.(私が帰宅する前に、彼女はもう帰っていた)
〇 She hadn’t gone to bed yet when I came home.(私が帰宅した時、彼女はまだ眠っていなかった)
〇 She hadn’t eaten dinner till I came home.(私が帰宅するまで、彼女は夕食を食べていなかった)
過去完了の「had+過去分詞」は大過去、即ち基準点よりも前に起きたこととして扱えます。上の文で描写される過去、つまり基準となる過去の一点は「私の帰宅」です。そして、大過去を用いることで、その基準点より前に何が起こっていたかが表現されているのです。
過去完了と過去形の違い
上の説明の通り、過去完了は「過去の一点」を大過去を絡めて描写する文法です。過去完了では語りたい過去の一点を、その一点よりも更に前の出来事(大過去)を絡めて描写することができます。このことから、過去完了は扱う時間帯の幅がある「線の文法」だと言えます。
一方、過去形は過去の一点を描写するので、大過去は絡められません(接続詞で文を繋ぐ場合を除く)。過去完了形が「線の文法」なら、過去形は「点の文法」です。なお、過去形は「過去の習慣」を表せますが、これも考え方次第で過去の点描写と言えるでしょう。
その形 | 表せること | 意味 | 例文 |
---|---|---|---|
過去完了 | (大過去~過去での) 経験 | したこと があった | ・I had seen the movie twice before I turned ten. (私は10歳になるまでその映画を2回見ていた) |
(大過去~過去での) 継続 | ずっと ~だった | ・I had been there till she finally showed up. (彼女がようやく姿を現すまで、私はずっとそこにいた) | |
(大過去~過去での) 完了 | してしま っていた | ・I had already eaten it when she came back. (彼女が帰って来た時、私は既にそれを食べてしまっていた) | |
過去形 | (過去の) 動作・状態 | ~だった | ・I was happy when I was a kid. (子供の頃、私は幸せだった) |
(過去の) 習慣 | ~したものだ | ・I usually studied English when I had free time. (私は自由時間には、大抵英語を勉強していたものだ) |
◆時系列を示せる過去完了
過去完了では大過去~過去の時間軸を扱うことができるため、過去の一点に至るまでに起きた出来事を時系列を明示して並べられます。一方、物事を起きた順番で説明する場合は過去形を用いた文を作り、接続詞で文を繋いでいきます。
完了 She’d already cooked dinner when he came home. (彼が帰宅した時、彼女はもう夕食を作っていた)
過去 She cooked dinner and he came home.(彼女は夕食を作り、そして彼は帰宅した)
過去完了「had+過去分詞」は、「自分が一番の古株だ」と主張するためのラベルだと考えるのもまた一興。このシールが張られた部分は、一番古いのです。
過去完了形の例文
過去完了は、「had+過去完了」の形で作られ、過去の一点をさらなる過去と絡めて描写できます。また、基準点となる「過去の一点」は「when/till/before」などを先頭にした節で作られます。この二つの基礎を、以下の例文で固めておきましょう!
◆例文で学ぼう!
過去完了が語る基準点は「when/till/before」が作る節や、一般動詞の過去形になります。そして、過去完了を用いれば、その基準点描写に基準点よりも昔の過去(大過去)を絡めることができます。なお、過去完了は「経験」「継続」「完了」の用法を持ちます。
・She had been to Japan twice before she turned 5.(彼女は5歳になる前に2回日本に行ったことがあった)
・He had just finished his task when his boss asked.(上司が彼に尋ねた時、彼はちょうど課題を終えた所だった)
・He had been really nervous till she said yes.(彼女が「はい」と言うまで、彼はとても緊張していた)
・Had you already known my sin before I confessed?(私が白状する前に、貴方は既に私の罪を知ってたのですか?)
・I’d never sweared till I met the evildoer. (あの悪人に会うまで、私は誰にも悪態をついたことはなかった)
・I told my kid that he had made a mistake.(私は自分の子どもに、彼は過ちを犯したと伝えた)
・She dinied that she had eaten the sweets. (彼女は自分がそのお菓子を食べたことを否定した)
・Futoshi and Yuki made it public that they had got engaged.(太と雪は彼らの婚約を公にした)
・The police announced that they had caught the suspect. (警察は容疑者を逮捕したことを発表した)
・He reported that there had been ten people in the shop. (彼はその店の中に10人いたと報告した)
過去完了形の応用文法
過去完了の応用文法としては、「過去完了進行形」と「過去完了受動態」が考えられます。難しそうに思えるかもしれませんが、いずれも過去完了の基本がしっかりと身についていれば問題なく理解できるはずです。それでは、早速行ってみましょう!
過去完了進行形の作り方
過去完了進行形は、過去のある時点(例:5分前)を話題とする際に、さらなる過去(例:1時間前)から続いていた動作を表すための文法です。例えば、ある男性が目を覚ましたという過去時点で、恋人が料理を作っている最中なら、恋人の動作は過去完了進行形で表せます。
用法 | その形 | 意味 | 例文 |
---|---|---|---|
肯定 | 主語 + had + been + 動詞の -ing … . | ずっと ~していた | ・She had been cooking for an hour when I woke up. (私が目を覚ました時、彼女は1時間続けて料理をしている所だった) ・She was cooking when I woke up. (私が目を覚ました時、彼女は料理をしている所だった) |
否定 | 主語 + had + not+ been + 動詞の -ing . | ずっと~ していなかった | ・It hadn’t been raining for a month till the storm came. (その嵐が来るまで、一カ月間雨が降らない状態が続いた) ・He hadn’t been eating for a week before he came home. (彼は帰宅するまで、1週間何も食べていなかった) |
疑問 | Had +主語+ been + 動詞の -ing … . | ずっと~して いましたか? | ・Had you been reading the booktill I came here? (私がここに来るまで、貴方はその本を読んでいたのですか?) → Yes, 主語 had. (はい、知っていました) → No, 主語 hadn’t.(いえ、知りませんでした) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・How long had you been waiting for me till I came here? (私がここに来るまで、貴方はどの位の時間私を待ち続けていたのですか?) → I had been waiting for you for an hour. (私は1時間の間、貴方を待っていました) |
過去完了進行形の例文
◆例文で学ぼう!
以下の例文では、過去の基準点となるのは「when/till/before」が作る節です。そして、この過去の基準点よりも前に起きて基準点まで続いている出来事や動作・状態を、赤字の過去完了進行形が描写しています。青色は過去、赤色が大過去ということですね。
・She had been crying for an hour when he came home.(彼が帰宅した時、彼女は1時間ずっと泣いていた)
・He hadn’t been playing well till he hit a grand slam.(彼は満塁ホームランを打つまで、良いプレーはしていなかった)
・It’d been raining for an hour before the movie started.(その映画が始まる前、雨が1時間降り続いていた)
・He’d been reading the book for an hour till she came. (彼は彼女が来るまで1時間その本を読んでいた)
・Had you been driving for ten hours when you crashed the car? (その車をぶつけた時、君は10時間続けて運転していたの?)
・The bird had been flying for a week when it was shot.(その鳥は撃たれたとき、1週間の間飛び続けていた)
・Had he been singing for 8 hours when the bell rang?(その鐘が鳴った時、彼は8時間歌い続けていたの?)
過去完了受動態の作り方・訳し方
過去完了と受動態を繋げて「had+been + 過去分詞」という形を作ると、過去完了で受動態を表すことができます。大過去で受動態を表す方法をマスターしておきましょう!
用法 | その形 | 意味 | 例文 |
---|---|---|---|
肯定 | 主語 + had + been + 過去分詞 … . | ~されていた | ・The device had already been tapped when I bought it. (その機器は、私が購入した時点で既に盗聴されていた) ・He had been liked till he revealed himself. (彼は本性を表す前までは、皆から好かれていた) |
否定 | 主語 + had + not+ been +過去分詞 . | ~されては いなかった | ・The rule had never been changed till she became the boss. (彼女が責任者になるまで、その規則は一度も変更されていなかった) ・They hadn’t been known much till they appeared on TV. (テレビ出演するまでは、彼らはあまり知られていませんでした) |
疑問 | Had +主語+ been + 過去分詞 …? | ~されて いましたか | ・Had it already been stolen when you came here? (貴方が来たときには、それは既に盗まれていたのですか?) → Yes, 主語 had. (はい、そうです) → No, 主語 hadn’t.(いえ、ちがいます) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・How long had the truth been kept secret till it finally came to light ? (その秘密が明るみに出るまで、それはどの位の間秘密にされていたの?) → It had been kept secret for fifty years. (それは50年間秘密にされていました) |
過去完了受動態の例文
◆例文で学ぼう!
過去完了形の受動態が、どうして「had + been + 過去分詞 」になるかは理解できていますか?前半の「had + been」は「had + 過去分詞」にほかならず、これが過去完了を表します。後半の「been + 過去分詞」は「be動詞 + 過去分詞」なので受動態ですね。
・He’d been considered a thief when she started an inquiry. (彼女が調査を始めた時、彼は泥棒だと思われていた)
・The door had never been opened till he did.(彼が開けるまで、その扉は一度も開けられた事が無かった)
・I’d been detained for a year till she tesified for me. (彼女が証言してくれるまで、私は1年拘留されていた)
・Had the book been talked about before it was released? (この本は発売前から話題にされていましたか?)
・The truth had been hide till he passed away.(彼が亡くなくなるまで、真実は隠蔽されていた)
受動態については、別記事で詳しく扱っています。受動態も完了形と同じく重要な文法ですから、以下のリンクを確認して理解を深めてくださいね♪
確認クイズに挑戦!
それでは、過去完了の理解度を確認するクイズに挑戦してみましょう!なお、過去完了の理解度を試すためには現在完了との使い分けができていることが重要ですので、以下には現在完了の問題も混ぜ込んでおきます。罠をすり抜け、全問正解できますか?
答え:He had been a teacher for three years when I met him.
「私が彼に出会ったとき」という過去の時点で、彼は教師として3年のキャリアがあったと言うこと。「私と彼が出会った」という過去の一点を「・」とすると、その点に至るまでの3年のキャリアは「ー」などと表せ、時の流れは例えば「ー・」と表せる。
過去の一点よりも前から続いていることを示すためには、過去完了を使う。過去完了の形は「had + 過去分詞」。動作の継続を表すときは「had + been + 動詞のing」(過去完了進行形)を用いるが、今回は状態の継続なので過去完了を用いる。この公式を基に「He had been a teacher for three years」を作る。
後は、過去の一点(・)を英語で表現する。過去の1点は「私が彼に会ったとき」なので、「when I met him」と表せる。ここまで作った二つの文を組み合わせて「He had been a teacher for three years when I met him」を得る。
答え:I have never been to Japan.
経験を表現するには、現在完了または過去完了を用いる。「~という過去の時点で~したことがなかった(あった)」ならば過去完了だが、ここでは「今まで~」という文脈で経験を語らなければならない。よって、使うべきは現在完了。
現在完了で「Aへ行ったことがある」は「have been to A」という定型表現を用いる。今回は、その否定形なので「have never/not been to」を用いればよい。これらから、「I have never been to Japan.」を得る。
答え: The train had already left the station when I got there.
私が駅に着いたときを過去の基準点とする。その基準点時点で電車が既に出てしまっていたと表現する場合、基準点よりも前に起きた出来事を描写する必要がある。基準とする過去よりも前の過去を表現するためには「過去完了」を用いる。
「過去完了」の用法は現在完了と同じく「経験」「継続」「完了」がある。ここでは、「過去の一時点で何か別のことが完了していたこと」を表す「完了用法」を用いる。ただし、過去完了は用法に関わらず「had + 過去分詞」で表す。
まずは、基準となる過去の基準点「私が駅に着いたとき」を作る。これは「①when I got to the station」となる。一方、その基準点より前に起きた出来事は過去完了で表す。前に起きた出来事は「その電車はもう出てしまっていた」なので、「②The train had already left the station」を得る。
コンマなしで文を繋げる場合、②+①。つまり「The train had already left the station when I got to the station.」となる。「the station」が2回出てきているので、後半の方を代名詞「there」で代用。なお、「there」には「to」の意味が含まれるので、「to」も削る。これによって、「The train had already left the station when I got there.」を得る。
答え:She had never eaten sushi before till she travelled to Japan.
この文は、「彼女が日本に旅行に行った」という過去の一点を基準として、彼女はその過去の一点まで「一度も寿司を食べたことが無かった」という事実を表す文。過去の一点より前の話をするためには過去完了を用いる。(ここでは「経験」用法が最適)
まずは「①日本に旅行に行くまで」という過去の一点を英語にする。これは「①till she travelled to Japan」と表すことができる。一方、「②彼女は一度も寿司を食べたことが無かった」は、その過去の一点よりもさらに過去の経験を表すので、過去完了を用いる。
公式通り「had+過去分詞」を使い「②she had never eaten sushi before」となる。①と②をコンマなしで続ける場合、②+①と言う順番になる。よって「She had never eaten sushi before till she travelled to Japan.」を得る。
答え:She had been watching the movie for two hours when I came home.
「私が家に帰った時」という過去の一点の時点で、「彼女が2時間映画を見ていた」のであれば、彼女の行動は過去の一点よりも前、即ち大過去から継続している動作と言える。大過去から継続を表す場合、「過去完了」を用いる。ただし、今回のような「動作」の継続の場合は過去完了の応用形、過去完了進行形「had + been + -ing」を用いる。
まずは「①私が家に帰った時」という過去の基準点を英訳し、「①when I came home」を得る。続いて、その時点まで継続していた動作「②彼女は2時間の間、その映画を見ていた」を作る。これは「②She had been watching the movie for two hours 」と表せる。
①と②をコンマなしで繋げる場合、②+①となる。従って「She had been watching the movie for two hours when I came home」を得る。
答え:How long had you lived in Tokyo before you moved here?
この文は、「ここに引っ越してきた」という過去の一点と、それより前の事実「東京に住んでいた」を含む文。「東京に住んでいた」は大過去で表せるので、この文は過去完了を用いた文であり、「住んでいた」と言う状態がどのくらい継続していたかを問うことになる。
過去の一点は「①君は東京に引っ越した」と表せ「you moved here」となる。今回は、この基準よりも前の話をするので、「before」を文頭に付けて「before you moved here」とする。
「君は東京に住んでいた」を過去完了で表す場合、「you had lived in Tokyo」だが、これを疑問形にすると「Had you lived in Tokyo?」。また、期間を問う場合「how long」を用いるので、これを文頭に付けて「How long had you lived in Tokyo?」を得る。
これらを繋げて「How long had you lived in Tokyo before you moved here?」を得る。2文を繋ぐ接続詞「before」からも明らかだが、「引っ越してきた」という過去の一点に対し、「東京に住んでいた」はより過去(大過去)の話であることを確認しておこう。
なお、「before」など時系列の関係が明らかな場合は、過去完了ではなく過去形を使っても良い。その場合は、「How long did you live in Tokyo before you moved here?」となる。
答え:The picture had already been stolen when I realized the truth.
この文は、「①私が真実に気づいた」という過去の一点と、それ以前に起こった事実「②その絵画は盗まれた」を表現している文。②は①という過去よりもさらに過去(大過去)を描写しているので、この表現を作るためには過去完了を使わなくてはならないと分かる。
さらに、②の文は「②その絵画は既に盗まれた」なので、受動態を含む文だと分かる。過去完了で受動態を作る場合は「had+been+過去分詞」の形を用いる。よって、②の文の基礎は「The picture had been stolen」となる。ここに「既に」という要素を付け加えるため「already」を追加し、「②The picture had already been stolen」を得る。
過去の一点である「①私が真実に気づいたとき」は「①when I realized the truth」となる。コンマなしで①と②を繋げる場合は「②+①」となるので、正答「The picture had already been stolen when I realized the truth.」を得る。
答え:Had you been standing here for two hours till I came here?
この文は「①私がここに来る」という過去の一点と、それより以前からその過去の一点まで継続していた動作「②君は2時間ここに立ち続けていた」を描写した文章。②は①という過去よりもさらに過去(大過去)を扱っているので過去完了を用いるのだと分かる。
②は継続を表すが、「立つ」と言う動作動詞の継続を表す文章。よって、過去完了ではなく「過去完了進行形」を用いる。過去完了進行形は「had + been + 動詞のing」で表されるため、「②君はここに2時間立ち続けていた」は「you had been standing here for two hours」と表現することができる。
一方、過去の一点は「私がここに来た」であり「I came here」と表せる。今回は、この動作が起こるまでという意味を足したいので、ここに「~まで」を意味する「till」を付けよう。そうすると、「①私がここに来るまで」=「①till I came here」を得る。
①と②の文章をコンマなしで繋げるためには、②+①の順番で並べる。よって、「Had you been standing here for two hours till I came here?」を得る。
答え:Has he been studying English since this morning?
今朝と言う過去から、今に至る動作の継続を問う文章。よって、過去の一点を語る過去完了ではなく、現在の一点を(過去からの影響を示唆して)語る現在完了を用いなくてはならない。さらに、「動作」の継続を表すので、現在完了の応用「現在完了進行形」を用いる。
現在完了進行形は「主語 + have/has + been + 動詞のing」で表せるが、今回はその疑問形を作るので「have/has + 主語 + been + 動詞のing ?」となる。今回は主語が「彼」なので、三人称単数の「has」を用いることにも注意しよう。
公式通りに疑問文を作り「Has he been studying English?」を得る。ここに「今朝から」と言う表現を足したい。そのためには、起点を表す表現「since(~から)」を用いればよい。「since」は後ろに文または単語を置けるが、今回は単語「今朝」=「this morning」を置く。
これらを合わせて、「Has he been studying English since this morning?」を得る。
さいごに
過去完了形は、現在完了形の理解ができていれば難しい文法ではありません。二つの文法が共通して扱う「時間幅の概念」をしっかり理解し、かつそれぞれの文法が扱う時点の違いも押さえましょう。余裕のよっちゃんと言える日まで、粘り強く学習を続けましょう♪