間接疑問とは
間接疑問とは、「通常の疑問文の内容を名詞化した」ものです。これだけだと少しイメージが掴みにくいと思いますので、以下に例をご用意しました。今の時点では英語の作り方は分からなくていいので、日本語訳がどう変化しているかをチェックしておきましょう!
◆疑問文を間接疑問にすると…
間接疑問は、疑問文の内容に「~ということ」などを足すことで作ることができる。
▼疑問文 :What did he buy? (彼は何を買いましたか?)
▼間接疑問:what he bought (彼が何を買ったのかということ)
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▼疑問文 :Where are you from? (君はどこの出身ですか?)
▼間接疑問:where you are from(君がどこの出身かということ)
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▼疑問文 :How did you know him?(君はどうして彼を知っていたの?)
▼間接疑問:how you knew him(君がどうして彼を知っていたかということ)
定義と構造
文法的に言うと、間接疑問とは文中に組み込まれた疑問文です。疑問文は通常、「V S…?」のように主語と述語の順番が入れ替わりますが、間接疑問は平叙文と同じ「S V….」になります。また、間接疑問を含んだ文は、以下の様に2つの文に分解して考えることもできます。
◆間接疑問文の例とその分解
間接疑問は「疑問詞/if S V」の形を取り、肯定文・否定文・疑問文の全てに組み込める。
▼ I know what it is. (私はそれが何かを知っている)
→ I know(私は知っている)+ what is it? (それは何ですか?)
▼ I don’t know when he came.(私は彼がいつ来たのかを知らない)
→ I don’t know(私は知らない)+ When did he come?(彼はいつ来た?)
▼ Do you know who he is?(君は彼が誰か知っていますか)
→ Do you know(君は知ってる?)+ who is he?(彼は誰ですか)
時制の一致
間接疑問文を作る際は、「時制の一致」にも気をつけなくてはなりません。「時制の一致」とは、英文の主節が過去形になる時、従属節も過去形にしなくてはならないというルールです。なお、主節が現在・未来形の場合は、従属節の時制に制限はありません。
現在形は現時点の普遍的な真実を表しますが、それは過去の時点では知り得ないため主節が過去の文の従属節で現在形は使えません。また、過去時点でも将来予測は出来るため、「would」を使うのはOK。なお、過去時点よりもさらに過去を表す際は、過去完了を使います。
◆間接疑問文と時制
緑色部分が主節、赤色部分が従属節。主節が過去形の場合、従属節は過去形または過去完了になる。なお、従属節に助動詞が含まれる場合は、助動詞を過去形にします。
〇 I knew what it was. (過、過:私はそれが何かを知っていた)
〇 I knew what it would be.(過、過:私はそれが何であり得るかを知っていた)
× I knew what it is. (過、現:過去の時点で現在は知りようもなくNG)
〇 I know what it is. (現、現:私はそれが何かを知っている)
〇 I know what it was. (現、過:私はそれが何だったかを知っている)
※3番目は主節が過去なのに従属節が現在形となっているため不可
間接疑問を見抜くには
この構文を私がどう理解しているかをご紹介します。間接疑問を含んだ文は主節と従属節に分解できますが、主節は不完全な文とも言えます。何故なら、主節は「私は知らない」という文章であり、「何を知らないのか」という情報、即ち目的語(O)が含まれていないからです。
そこで、目的語のOの働きをするのが従属節、つまり「間接疑問」の文です。例えば、以下の例の様に平叙文の形に語順を変えた「who he is」が「彼が誰か」を表して目的語となるのです。文量こそ違えど、この例文は「I don’t know him(SVO)」と文構成が共通です。
◆目的語の働きをする間接疑問文
以下の二つの文は文の長さは異なりますが、構成は共通の第3文型(SVO)です。
▼ I don’t know him.(私は彼と面識がない)… S V O
▼ I don’t know who he is. (私は彼が誰か知らない)… S V O
※「him」も「who he is」も「know」の目的語として機能している。
間接疑問の例文
間接疑問の形に慣れるため、例文を見ていきましょう。全ての例文は主節部分だけでは意味が不完全です。しかし、疑問詞以降の従属節が目的語(O)として機能するため、文として成立しています。文全体としては、「I know him」のような「S V O」の形になっていますよ。
◆間接疑問の例文
以下の全ての例文が、第3文型(SVO)の形を取っています。また、全ての間接疑問の日本語訳について、それぞれの疑問詞の意味が残っていることも重要です。もう少しスマートな日本語訳もあるでしょうが、まずは基本に忠実に訳していくのをおススメします。
▼ I don’t know where he is from. (私は彼がどこの出身かを知らない)
▼ I want to know who he is.(私は彼が誰なのかを知りたい)
▼ I didn’t know how she felt. (私は彼女がどう感じたか知らなかった)
▼ Tell me what he said. (彼が何を言ったのかを教えて)
▼ I don’t know when he arrived. (私は彼がいつ到着したのかを知らない)
※黒太字部分が「O」となり、疑問詞の前にある一般動詞の目的語(~を)として機能する
間接疑問の「目印」
間接疑問は、自身が疑問文であることを示すために、以下の2種類の目印を持ちます。
「who」などの疑問詞
間接疑問が持つ目印の一つが「who」などの疑問詞です。文中に疑問詞があって、その後ろにSVが続いている場合、その疑問詞は間接疑問を表している可能性があります。可能性がある、などと玉虫色の言い方をしているのは、疑問詞が関係代名詞を表している場合もあるからです。
◆疑問詞を用いた間接疑問の例文
▼ I don’t know who he is. (私は彼が誰かということを知らない)
▼ Tell me what color you like.(何色が好きかということを教えて)
▼ I know where you are from.(私は君がどこの出身かということを知っている)
基本に忠実に「~ということ」と繰り返していますが、慣れてきたら「彼が誰かを」や「何色が好きかを」のように自然な日本語にしていきましょう!
💡参考:関係代名詞を表す疑問詞
文中に出てくる疑問詞には、関係代名詞や関係副詞の可能性もあります。間接疑問と関係代名詞の両方があり得る場合や、区別できても意味が似通っている場合もあります。一応以下に例を出しますが、関係代名詞を学習していない場合は飛ばしていただいて問題ありません。
◆間接疑問と関係代名詞
関係代名詞を見抜くためには、先行詞に注目とよい。先行詞を説明しているならば、その疑問詞は関係代名詞と考えられる。なお、間接疑問、関係代名詞のどちらとも取れる場合は文脈から判断する。以下の例では、例えば③と④、⑦と⑧はどちらとも取れる。
① I don’t know who said hello to you. (私は、誰が君に挨拶したのかを知らない)
② I don’t know the boy who said hello to you.(私は、挨拶してきた少年と面識はない)
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③ I know what he said.(私は、彼が何を言ったのか知っている)
④ I know what he said.(私は、君が言ったことを知っている)
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⑤ I know which you will chouse.(私は君がどちらを選ぶかということを知っている)
⑥ I know the thing which you will chouse.(私は君が選ぶであろうものを知っている)
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⑦ I know where you went.(私は君がどこへ行ったのかを知っている)
⑧ I know where you went.(私は君が行った場所を知っている)
※④「what」を関係代名詞として「the thingwhich」で置き換えて考えた場合。
※⑧「where」を関係副詞と捉え「the place where」で置き換えて考えた場合
接続詞の「if」または「whether」
接続詞の「if」や「whether」が文中に入り、「~かどうか」という意味を表すことができます。そして、これら接続詞の後ろに「S V」を続けると「SがVかどうか」という間接疑問を作ることができます。日常会話の幅を広げる便利な用法なので、ぜひ身につけてください♪
◆接続詞(if/whether)を用いた間接疑問の例文
「if」か「whether」で、疑問詞の意味を含まない間接疑問を作れます。なお、いずれも文末に「or not」を追加可。「if」には「もし~なら」の用法、「whether」は「weather(天気)」と発音が似ているため、間接疑問であることを示すために付けるのもアリ。
▼ I don’t know if he is from Tokyo (or not). (私は彼が東京出身かどうか知らない)
▼ Tell me if he is leaving soon (or not).(彼が直ぐに発つのかどうか教えて)
▼ I don’t know whether I was right (or not).(私は自分が正しかったのかどうか知らない)
※全てif/whetherのどちらも利用可能
確認クイズに挑戦
それでは、間接疑問の理解度を試す確認クイズに挑戦してみましょう!
答え:Tell me what he said about me.
日本語訳は「①私にOを教えなさい」と「②彼が私について何て言っていたかということ」という2文に分割できる。前者は「Tell me O」と表せるため②を間接疑問を使って作り、Oの位置に入れれば求められている日本語訳を作ることが出来る。
間接疑問は「疑問詞+S+V」。今回の疑問詞は「what」。主語は「彼が」なので「he」。動詞は「言っていた」なので「say」の過去形「said」。これらをルール通りに並べると「what he said」となり、「私について」を表す「about me」を足せば間接疑問が完成する。この間接疑問を「Tell me O」の「O」の場所に入れて完成。
答え:Do you know when he will come here?
日本語訳は「君はOを知っているかい?」と「彼がいつここに来るかと言うこと」に分類できる。前者は「Do you know O?」と表せるため、間接疑問を「O」の場所に入れればOK。
間接疑問は「疑問詞+S+V」。今回の疑問詞は「いつ」を表す「when」。主語は「彼」なので「he」。動詞は「いつここに来るか」なので、「will come here」となる。これらを順番通り並べて「O」を作り、「Do you know O…?」のOに代入すれば完成。
答え:I don’t want to tell you who she is.
この文は「①私は君にOを伝えたくない」と「②彼女が誰かと言うこと」の2文に分割できる。前者は「I don’t want to tell you O」と表せるので、②を作ってOに代入すればよい。
間接疑問は「疑問詞+S+V」。疑問詞は「誰」で「who」。主語は「彼女が」で「she」。動詞は「彼女=誰」を作る現在形の「be動詞(is)」。「who she is」を作り、Oに入れる。
答え:I don’t know if(whether) she was angry (or not).
この文は「①僕はOを知らない」と「②彼女が怒っていたかどうかということ」の2文にわけられる。①を表す「I don’t know O」を作り、②をOに代入すればよい。
間接疑問の二つ目のパターンに、疑問詞を伴わず「~かどうか」を表す「if/whether」を使うと言うものがある。このパターンの場合、間接疑問は「if/whether + S + V」となる。
間接疑問の主語は「彼女」なので「she」、動詞は「怒っていた」なので「was angry」とする。これらを繋げると「if she was angry(彼女が怒っていたかどうか)」を作れる。お好みで文末に「or not」を追加して間接疑問であることを強調しても良い。作った文をOに入れて完成。
答え:She asked him if he wanted to go out with her.
この文は、「①彼女は彼に~を尋ねた」と「②彼が自分とデートしたいかどうか」の2文にわけられる。①は「She asked him O」となり、②を作って「O」 に入れればよい。ただし、主節が過去形なので、従属節は過去形または過去完了しか使えないことに注意。
②は「~か(どうか)」を含む間接疑問なので「if+S+V」という形を作ればよい。主語は「彼」なので「he」。動詞は「彼女とデートしたい」なので「want to go out with her」。
ただし、尋ねたという過去形に時制を一致させるので「wanted to go out with her」になる。これらを並べて間接疑問「if he wanted to go out with her」になり、「O」に入れて完成。
さいごに
間接疑問を使いこなせるようになると、英語力がグーンとアップします。自由英作文の力はもちろんのこと、会話にも応用できます。少しだけ難しく見えるかもしれませんが、慣れてくれば大丈夫。繰り返し練習して、ワンランク上の英語力を手にしてください!