使役動詞とは
「使役動詞」とは「(人に)~させる」という意味を持つ動詞のことを言います。英語において使役動詞として使える動詞には、「let」「make」「get」「have」「help」があります。以下の記事で、その基礎や応用を一緒に学んでいきましょう!
使役動詞の一覧表
5種類の使役動詞は、それぞれ強制力の強さが異なります。「make」と「have」は強制力が強いです。一方、「get」は説得の意味を含み強制力は弱めで、「let」は許可を与える表現で強制力は弱く、「help」は協力を表す表現で強制力はゼロです。
使役動詞 | 強制力 | 例文(※スマホ横画面推奨) |
---|---|---|
make (強制的に) ~させる | 最強 | ・You got a bad score? I will make you study, my son. (悪い点を取った?息子よ、私はお前を勉強させるぞ) ・Please don’t make me do such a thing, father! (お父さん、どうか僕にそんなことはさせないで) |
let (許可して) ~させる | 無し | ・You want a break? Well, I will let you take it. (休憩したいって?まぁいいか、そうさせてやろう) ・Will you let me play a video game for a change? (気分転換に僕にゲームをさせてくれますか?) |
get (説得し) ~させる | 普通 | ・I couldn’t get my father to let me play the game. (僕は父にゲームの許可を出させることができなかった) ・How can I get my father to accept my offer? (どうすれば彼に僕の申し出を受け入れさせられる?) |
have (強制的に) ~させる | 強い | ・I’ll have him study hard before it’s too late. (手遅れになる前に、儂は彼に一生懸命勉強させるぞ) ・I had him study English for 4 hours. (儂は彼に4時間英語を勉強させた) |
help ~するの を助ける | 無し | ・I can help you (to) study math since I’m good at it. (儂は数学は得意だから、数学の勉強は助けてやれるぞ) ・He wanted to help me to study math. (彼は僕が数学を勉強するのを助けたがった) |
使役動詞の使い方
それぞれの使役動詞はそれぞれに文法ルールを持っており、文の作り方が決められています。いくつかの使役動詞は同じ使い方をできますが、違うルールで運用されるものもあります。よって、使役動詞ごとに活用ルール(活用構文)を覚えなくてはなりません。
活用構文 | 例文 |
---|---|
make O do (強制的に) Oに~させる | ・I made him repair the toy he had broken. (私は彼に彼が壊したおもちゃを修理させた) ・I made him practice baseball. (私は彼に野球の練習をさせた) |
let O do (許可して) Oに~させる | ・I will let her go home after this class. (私はこの授業の後、彼女を家に帰らせます) ・I will let you sing this song if you want. (君が歌いたいなら、私は君にこの歌を歌わせてあげる) |
get O to do (説得し) Oに~させる | ・I got him to pick me up. (私は彼に車で迎えに来てもらった) ・I have to get him to do this task first. (私は彼にこの課題を先にやらせないといけない) |
have O do (強制的に) Oに~させる | ・I had my son clean his room. (私は息子に彼の部屋を掃除させた) ・I had my sister help me with my work. (私は妹に自分の仕事を手伝わせた) |
help O (to) do Oが~する のを助ける | ・I helped the cute girl go to the station. (私はそのカワイイ女の子が駅に行くのを助けた) ・I helped the cute girl to go to the station. (私はそのカワイイ女の子が駅に行くのを助けた) |
使役動詞が作る文型
英語で使役動詞を使う場合、命令文等の例外を除いて第5文型(SVOC)が成立し、使役動詞の後には目的語(O)と補語(C)が置かれます。これは、ペアとして学習されることも多い知覚動詞とも同じですね。なお、知覚動詞は以下の記事で詳しく扱っています♪
◆使役動詞とSVOC
使役動詞では、SVOCの第5文型が成立することが多いです。なお、使役動詞は助動詞の様に常に一定の形を取るのではなく、一般動詞と同様に時制や主語で形を変えます。なお、第5文型であるならば、いつでも「O=C」(OがCする、OがCされる)が成立します。
主語+使役動詞+目的語(O)+補語(C)
① She made her son sit down.
(彼女は息子を座らせた)
② She let him eat the chocolate.
(彼女は彼がチョコを食べるのを許可した)
③ She got him to study hard.
(彼女は彼に一生懸命勉強させた)
④ Since he tried to run away, she had him study.
(彼は逃げようとしたので、彼女は彼を勉強させた)
※③は説得、お願いのニュアンスが含まれるが、④は強制・命令。
◆使役動詞「O=C」の確認
上の例文で、「OがCする」または「OがCされる」が成り立つことを確認します。いずれも使役動詞の目的語だった(代)名詞が主語となり、使役動詞の補語だった動作をしていますね。
① She made her son sit down.
(彼女は息子を座らせた)
→ Her son sit down.
(彼女の息子は座った)
② She let him eat the chocolate.
(彼女は彼がチョコを食べるのを許可した)
→ He ate the chocolate.
(彼はチョコを食べた)
③ She got him to study hard.
(彼女は彼に一生懸命勉強させた)
→ He studied hard.
(彼は一生懸命勉強した)
④ Since he tried to run away, she had him study.
(彼は逃げようとしたので、彼女は彼を勉強させた)
→ He studied.
(彼は勉強した)
使役動詞の使い方を学ぶ
ここからは、使役動詞の具体的な使い方を見ていきましょう。最も基本的な使役動詞である「let」と「make」から始め、その後で不定詞を伴う「get」の使い方を学びます。そして最後に、様々な補語を取る「have/get」を学習していきます♪
使役動詞「let」
「let」は、許可を出す際に使われ、「相手が望むことをさせてあげる」という意味を持つことが多いです。なお、「let」は「me」を伴って文頭に出て、何かを申し出る際に使われることもあります。使いやすい表現なので、ぜひ覚えておきましょう!
使役動詞 | 例文 |
---|---|
let O do (許可して) Oに~させる | ・Don’t fiddle with the flower. Just let it be. (その花をいじらないで。そのままにしてください) ・Please let me be your boyfrinend,mademoiselle. (マドモワゼ~ル、私をあなたの彼氏にしてください) ・Let me tell you one important thing to you. (貴方に一つ、大事なことを言わせてください) ・I won’t let you be my boyfriend. (私は絶対に貴方を私の彼氏にはさせません) |
使役動詞「make」
「make」も「let」と同じ活用構文で使えますが、相手の意思に関係なく「~させる」というニュアンスを持つ点は異なります。「make」を使うのは相手が嫌う行動を強いる場合のみという訳ではないですが、いずれにしても強い強制力を伴う表現になります。
使役動詞 | 例文 |
---|---|
make O do (強制的に) Oに~させる | ・I must make myself look serious when I ask her out. (彼女をデートに誘う時、僕は真剣に見えなくてはならない) ・By being so, I’ll make my dream come true. (そうあることによって、僕は夢を叶えるだろう) ・What she wants is not making my look look good. (彼女が望んでいることは、外見をよく見せることじゃない) ・I still like her since she makes me try new things. (彼女は僕に新たな挑戦をさせるから、僕はまだ彼女が好きです) |
使役動詞「get」
「get」は、目的語の後に不定詞(to+動詞の原形)を取るところが「let」や「make」と異なります。また、説得・お願いの性質を持つため、強制力は弱めです。なお、「have」は「C」に現在・過去分詞を取る用法もありますが、それは後ほど応用編で扱います。
使役動詞 | 例文 |
---|---|
get O to do (説得して) Oに~させる | ・I got my friend to stop smoking in front of me. (僕は友達に、僕の前での喫煙を止めさせた) ・I will get her to date with me somehow. (僕は何とかして彼女に僕とデートさせてみせる) ・She got me to realize that I must change myself. (彼女は僕に自分を変えなければならないと気づかせた) ・I shouldn’t get my friend to ask her if she likes me. (私は友達に彼女が僕を好きか聞かせるべきではない) |
使役動詞「have」
使役動詞「have」は、「let」や「make」と同様に後ろに原形不定詞を取ります。また、その強制力は「make」の次に強く、命令の響きを持ちます。なお、「have」は後ろに現在・過去分詞を取る用法を持ちますが、それは後ほど応用編で扱います。
使役動詞 | 例文 |
---|---|
have O do (強制的に) Oに~させる | ・The teacher had me answer the question in front of her. (先生は、彼女の前で僕にその問題に答えさせた) ・This hardship will have me go where I want to be. (この困難は、僕を到達したい場所に行かせるだろう) ・Her smile had me believe I had been on the right way. (彼女の笑顔は、僕が正しい道の上にいると確信させた) ・My dream has me walk on the right way. (私の夢は、私にその正しい道を歩ませます) |
使役動詞「help」
「help」はこれまで学習してきた使役動詞と異なり、「主語が~する」という協力を表します。当然、強制のニュアンスはありません。また、「help」は目的語の直後に不定詞・原形不定詞の両方を取ることができる、融通の利くお利口さんでもあります(笑)。
使役動詞 | 例文 |
---|---|
help O (to)do Oが~する のを助ける | ・She always helps me to improve myself. (彼女はいつも、僕が進歩するのを助けてくれる) ・I will help her do anything if she wants. (彼女が望むなら、何だって手伝ってあげるよ) ・Having good friends helps me achive my goal,too. (よい友達を持つことも、僕の目標達成を助けてくれる) ・She will help anyone to get out of their trouble. (彼女は誰に対しても、困難から抜け出す手助けをしてくれる) |
使役動詞の覚え方
構文の知識を吸収したうえで、短いフレーズを何度も書き写したり音読するのがおススメです。最初のうちは、例えば以下の様な簡単な文を覚えると良いでしょう。文法が体に定着してきたら、上で紹介している例文も自分で作れるように練習してくださいね!
① Let me entertain you.
(私にあなたをおもてなしさせて)
② Make this team great again.
(このチームを再び偉大にせよ)
③ You got me to study English.
(君は僕に英語を勉強させた)
④ He helped me (to) study English.
(彼は私が英語を勉強するのを助けた)
ちなみに、①は「Queen」の楽曲名、②は某大統領のセリフの改変です。文法を記憶に定着させるために、印象的なフレーズを探すのも良い方法ですね♪
使役動詞(など)の応用文法
ここからは、使役動詞(など)の応用文法に進みましょう。今回ご紹介する応用文法は4つで、最初に①使役動詞の受動態、次に使役動詞と②過去分詞、③現在分詞をペアにする文法。最後に、④使役動詞と似た構文を持つ「make」と「get」の使い方の紹介です。
1. 使役動詞の受動態
使役動詞の受動態で使うのは「make」と「help」の2つのみです。受動態を作る際は、原則的に通常のルール(下記の関連記事参照)に従いますが、その直後に不定詞を続ける点には要注意です。「make」の肯定文では、原形不定詞を使いましたからね。
受動態の形 | 例文 |
---|---|
be動詞 made to do (~させられる) | ・The boss made yuki work overtime five days in a row. (その上司は5日連続でユキに残業させた) → Yuki was made to work overtime by the boss again. (ユキはその上司によって、再び残業させられた) ・The boss made some staff stay at office. (その上司は何人かの社員を会社に残らせた) → Some staff were made to stay at the office by him. (何人かの社員は彼によって会社に残らされた) |
be動詞 helped to do (~を助けられる) | ・Tom helped Yuki to finish her task. (トムは、ユキが課題を終わらせるのを助けた) → Yuki was helped to finish her task by Tom. (ユキは、課題を終わらせるのをトムに助けられた) ・Tom helped Yuki to leave the office secretly. (トムは、ユキがこっそり会社を去るのを助けた) → Yuki was helped to leave the office secretly by Tom. (ユキは、こっそり会社を去るのをトムに助けられた) |
2. 使役動詞と現在分詞
基礎動詞「have」と「get」は、補語(C)に現在分詞を置くことができます。どちらも使役の意味を持ち、それぞれの基本形(have O do / get O to do)と大きく意味は変わりません。ただ、現在分詞のイメージ通り、何かが進行しているニュアンスは加わります。
使役動詞 | 例文 |
---|---|
have O doing (Oに~させる) | ・I had her laughing while she was by my side. (私は彼女が傍にいる間、彼女を笑わせた) ・I had her laugh while she was by my side. (私は彼女が傍にいる間、彼女を笑わせた) ・We won’t have them beating us anymore! (私達はもう、彼らが私達を負かすことを許さないぞ!) ・We won’t have them beat us anymore! (私達はもう、彼らが私達を負かすことを許さないぞ!) |
get O doing (Oに~させる) | ・I have to get this team moving forward. (私はこのチームを前進させなければならない) ・I have to get this team to move forward. (私はこのチームを前進させなければならない) ・We will get this computer working. (私達はこのコンピュータを動作させます) ・We will get this computer to work. (私達はこのコンピュータを動作させます) |
「have/get O ~ing」を「~させ続ける」とするのも間違いではありませんが、本来のニュアンスからは遠くなるかもしれません。現場の臨場感がより鮮明に想像される感じ、という方がニュアンスに近そう。ただ、これを日本語で言語化するのは難しいですね。
「make O done」
実は、「make」でもOの後に過去分詞を続けることがあります。ただ、こちらは頻出表現が限られているため、まずは以下の3表現を覚えるだけでOKです。
使役動詞 | 例文 |
---|---|
make oneself understood (oneselfのことを を理解させる) | ・Asked for his opinion, Tom made himself understood. (意見を求められたので、トムは自分の考えを伝えた) ・Tom succeeded in making himself understood. (トムは自分の考えを伝えることに成功した) |
make oneself heard (oneselfの声 を届かせる) | ・It was hard for me to make himself heard in the rain. (私には、その雨の中で声を届かせるのは難しかった) ・No one can make themselves heard in this hard rain. (この強い雨の中では、誰も声を届かせることはできない) |
make oneself known (oneselfの存在 を認知させる) | ・The band made themselves known with that song. (そのバンドは、その曲で自分たちを世に知らしめた) ・This game will make itself known to the world soon. (このゲームは、すぐに世界中で認知されるだろう) |
3. 使役動詞と過去分詞
基礎動詞「have」と「get」は、補語に過去分詞も入れられます。この用法には以下の二つの訳し方があり、目的語の種類や文脈から総合的に意味を判断します。なお、現在分詞を用いる場合も含め、「get」の方がカジュアルな響きを持ちます。
使役動詞 | 例文 |
---|---|
have(get) O done (OをCしてもらう) (使役※1) | ・I had my hair cut for the date with her. (僕は彼女とのデートに備えて髪を切ってもらった) ・I got my shoes polished for the date, too. (僕はそのデートに備えて靴も磨いてもらった) ・I will get my car washed. (僕は車を洗ってもらうよ) |
have(get) O done (Oをされる) (受動・被害) | ・Seriously, I had my heart stolen by her. (大真面目だけど、僕は彼女に心を奪われちゃったよ) ・I had my fingers broken, but they don’t hurt at all. (指の骨を折っちゃったけど、全然痛くないよ) ・The bank got their security system breached. (その銀行はセキュリティを突破された) |
4. 「make」と「get」の活用
「make」や「get」は、Oの直後に形容詞を置き、「Oを形容詞の状態にする」という意味を作れます。この用法での「get」は使える形容詞に制限があるという説もあるため、自分で使う場合は「make」を使っておけば問題ありません。
使役動詞 | 例文 |
---|---|
make O 形容詞 (Oを「形容詞」にする) | ・Her smile always makes me happy. (彼女の笑顔は、いつも僕を幸せにしてくれる) ・Seeing her with another guy made me jealous. (彼女が他の男といるのを見ることは僕に嫉妬させた) |
get O 形容詞 (Oを「形容詞」にする) | ・Thinking about the date got me nervous. (デートのことを思うことは、僕を緊張させた) ・I haven’t got me ready for the date yet. (僕はまだ、デートの準備ができていません) |
確認クイズに挑戦!
それでは、使役動詞の理解を試す確認クイズに挑戦してみましょう!なお、日本語的には不自然ですが、使役動詞の使い分けの理解度を試すために強制力の度合いを言語化しています。使い分けを覚えるための練習と割り切って取り組みましょう!
答え: I let him sing the song.
使役動詞には「make」「let」「get」「have」「help」の5種類があるが、今回は「make」か「let」のいずれかを使う。「make」は命令のニュアンスが強い使役動詞、「let」は許可の意味を持つ使役動詞なので、今回は「let」を使う。
使役動詞を(命令文などの例外を除き)肯定文で使う場合、「SVOC」を作り、「OにCさせる」という意味になる(命令の度合いは使役動詞による)。また、「let」の場合、「C」に来るのは原形不定詞(to抜きの不定詞)である。
今回の主語は「私」なので「S」=「I」。「V」は使役動詞「let」の過去形「let」(「let」は原形・過去形・過去分詞形の全てが「let」)。また、「彼に歌わせる」なので「O」は「him」で「C」は「sing」。これらをSVOCで並べ「I let him sing the song」となる。
答え:She helped him to study English.
「AがBするのを助ける」は「help A to B」または「help A B」で表すことができる。今回は「彼が英語を勉強するのを助ける」を表現したいので、「…help him (to) study English」となる。また、主語は彼女なので「she」、時制は過去。
よって、「She helped him to study English.」を得た。これで6単語なので、今回はこれが正解。なお、「to」を抜いて「She helped him study English」でも全く同じ意味になる。
答え:I will have my son play baseball.
使役動詞「have」は「make」に次いで命令の響きが強い使役動詞で、「let」は命令のニュアンスのない、相手が望むことをさせてあげる場合などの「許可出し」に使われる使役動詞。よって、今回使うべきは「have」であると分かる。
使役動詞「have」は(命令形などの例外を除き)SVOCを作り、「OにCさせる」を意味する。また、「C」に入るのは原形不定詞(to抜きの不定詞)。今回は「自分の息子に野球させる」なので、「O」は「my son」で「C」は「play baseball」となる。
これをSVOCの語順で並べるが、今回は「~するつもりだ」という未来を表す表現があるので、助動詞「will」を用いる。使役動詞はあくまで一般動詞と同じ扱いなので、助動詞の後ろにつく。このことから「I will have my son play baseball.」を得る。
答え:Tom got his big sister to come with him.
「make」も「get」も使役動詞としてSVOCを作り、「OにCさせる」を作ることができる。ただし、「make」は強い強制力を伴うが、「get」は「お願いや説得」を前提とした表現である点が異なる。今回は「お願い風味」なので「get」を使うのが正しい。
「get」を使役動詞で使う時は、「C」に不定詞が入り、「get A to do」の形になる。今回は、「姉についてきてもらう」なので、「…get his big sister to come with him」を得る。これをSVOCで並べて「Tom got his big sister to come with him.」を得る。
答え:Tom was helped to study English by his big sister.
トムは「お姉ちゃん子」である(どうでもいい)。「AがBするのを助ける」は使役動詞「help」を用いて「help A B」または「help A to B」と表すことができる。そしてその受動態は、通常の受動態の形(be動詞+過去分詞)の後に不定詞を続ければ作れる。
今回の場合、「be helped to study English」となる。主語はトムなので「S」=「Tom」。主語は単数で時制は過去なので、使うべきV(be動詞)は「was」。よって、正答「Tom was helped to study English by his big sister.」を得る。
なお、「help」は肯定文では「help」のあとに不定詞も原形不定詞も使えたが、受動態の場合は「help」のあとは不定詞しか使えない。つまり、「Tom was helped study English…」は不可である。
答え:The teacher made Tom sit down.
命令のニュアンスを持つのは、使役動詞「make」。よって、今回使うべきは「make」である。使役動詞は基本的にSVOCの文型を作り、「OにCさせる」の意味を作る。また、「make」はCに原形不定詞(toなし不定詞)を取る。
今回の主語は「先生」なので「S」=「the teacher」、「トムを座らせる」なので「O」=「Tom」、「C」=「sit down」となる。また、時制は過去である。これをSVOCで並べると正答「The teacher made Tom sit down.」を得る。
答え:Tom was made to stand up.
「~させられる」という「使役の意味を含んだ受動態」を作る問題。使役の受動態を作れる使役動詞は、「make」か「help」である。「make」を受動態にすれば「~させられた」を、「help」を受動態にすれば「~するのを手伝われた」なので、使うべきは「make」。
使役動詞の受動態を作る時は、通常ルールで受動態を作り(be動詞+過去分詞)、その後ろに不定詞をつなげる。つまり、「be made to do」が基本形で、今回の「立たされる」は「be made to stand up」になる。また、「その先生に」は「by the teacher」で表せる。
後はこれを主語から順番に並べる。主語は「Tom」。時制は過去なので、使うべき「be動詞」は「was」。受動態の文を作り、「Tom was made to stand up.(トムは立たされた)」を得る。
なお、「~することを許される」と言う受動態を作りたい場合、使役動詞の「let」を使うのではなく、一般動詞「allow(~を許す)」を用いた受動態を作るのが一般的。例えば、「トムは姉の手を握ることを許された」なら「Tom was allowed to hold his big sister’s hand.」などとなる。
答え:I had my hair cut.
「OをCしてもらう」は「have o done」の形で表せる。今回は「私の髪を切ってもらう」なので、「have my hair cut」となる(「cut」は動詞の原形・過去形・過去分詞形が全て「cut」)。時制は過去、主語は「私」なので「I had my hair cut.」となる。
なお、「get O done」もほぼ同じ意味を持つので、「I got my hair cut」でもよい。違いとしては、「get」を使う方がややカジュアルになると言うことくらいである。英語力上級になるまでは無視した方がよいレベルの違いであろう。
なお、「have O done」や「get O done」を使う場合、自分以外の誰かにお願いして作業してもらう、という意味になる。一般的には、プロのサービスを受ける場合に使われることが多い。なお、もし「I cut my hair」とすれば、自分で髪を切ったことになる。
答え:The result of the game made(got) me disappointed.
「make O 形容詞」または「get O 形容詞」で「Oを形容詞の状態にする」という用法がある。今回は「私を落胆させる」なので「make me disappointed」または「get me disappointed」となる。どちらでも、意味は変わらない。
また、主語は「その試合の結果」なので「The result of the game」で、時制は過去である。SVOCの順番通り文を作り、「The result of the game made me disappointed.」を得る。
答え:It was difficult for him to make himself understood without words.
使役動詞「make」の特殊用法の一つに「自分を理解させる」を意味する「make oneself understood」がある。今回の主語は「彼」なので「oneself」は「himself」になり、「make himself understood」で「彼自身を理解させる」を得る。
また、「~することは~だ」を表す際には、形式主語「it」を用いた「it is 形容詞 for 人 to 動詞の原形」という形がある。時制は過去なので、用いるべき「be動詞」は「was」。適切に並べて「It was difficult for him to make himself understood.」を得る。
なお、この「make oneself 過去分詞」の頻出表現には、「make oneself understood」のほか、「make oneself heard(~の声を届かせる)」、「make oneself known(~の存在を気づかせる)」などがある。積極的に使って覚えていこう。
さいごに
使役動詞にはいろいろな用法があるため、頭で覚えようとするだけでは定着させるのは難しいでしょう。この記事にある例文や確認クイズを有効活用し、実践的に学習してくださいね。また、似たような使い方をする「知覚動詞」の学習も、どうぞお忘れなく♪