「進行形」とは
英語における「進行形」とは、その名の通り、①進行している動作や出来事を表すための表現です。また、②一時的な状況のほか、特定の副詞と併用して「③いつも~してばかりいる」という意味も表せます。さらに、特定の動詞と組み合わせると「④未来の予定」も表せます。
◆進行形の働き
進行形には、大きく分けて以下の4つの意味があります。ただし、進行形の時制によっては①~④のうち、一部の意味しか持たないため、注意が必要です。
①進行中の動作・出来事
▼ He is playing tennis now. (彼は今、テニスをしているところです)
→「進行中の動作」。今現在、実際にテニスをしているという意味。
②一時的な状態
▼ You are being mean on purpose, aren’t you? (わざと意地悪してるでしょ)
→「一時的な状態」。(普段はともかく)今は意地悪だという意味。
③反復される行動・傾向
▼ Heis always complaining. (彼はいつも文句を言ってばかりだ)
→「反復行動」。頻度を表す副詞と一緒に使う。話者感情(賞賛/呆れ/非難)が入ることも。
④未来の予定
▼ I am leaving here at five.(僕は5時にはここを発つよ)
→「未来の予定」。特定の動詞(往来発着の動詞)を進行形にすると作れる。
※往来発着に関する動詞 = leave/come/go/arrive/depart など
現在進行形と過去進行形はそれぞれ①~④の意味を持ち、未来進行形は①と④の意味を持ちます。それぞれについては、後ほど個別に扱っていきます。
進行形の形
現在進行形は、「 be動詞+動詞の -ing形 」で作ることができます。なお、動詞に-ingを付けた形を現在分詞と言います。以下に、現在分詞の作り方の主要ルールを掲載しておきます。例外はありますが、基本的には動詞の末尾に注目し、当てはまるルールを適用していきます。
◆進行形の形
「 be動詞」 + 「動詞のing形 」
※「be動詞」を「was/were, is/am, will be」と変えると、それぞれ過去、現在、未来進行形を作れる
◆動詞に-ingを付けるルール
動詞の末尾 | -ingのつけ方 | 動詞の例 |
---|---|---|
「eで終わる動詞」(※1) | 「e」を取って 「-ing」をつける | ・use→using ・make→making |
「短母音(小さい「ツ」)+子音」 で終わる動詞(※2) | 最後の子音と同じ子音 を一つ追加したうえで 「-ing」 をつける | ・hit → hitting ・stop→ stopping |
「 -ie で終わる動詞」 | 「ie」を「y」に変えて 「-ing」をつける | ・lie → lying ・die(しぬ)→dying |
「 c で終わる動詞」 | 「k」を足してから 「-ing」をつける | ・mimic → mimicking ・panic → panicking |
※2 動詞が複数の音節を持ち、末尾にアクセントがない場合は子音は重ねない。→ 〇 listening × listenning
「be動詞+動詞のing形」が進行形の基礎です。現在・過去の時制は「be動詞」部分を変えて調整し、未来時制の場合は助動詞を追加します。
進行形にしない動詞
一般動詞のなかには、例えば「love/like/know」のように「継続的な状態」を意味するものがあり、それらの動詞は基本的に進行形にしません。ただし、マクドナルドの有名なキャッチコピー「I’m loving it」があるように、時には進行形にして使われることもあります。
◆「継続を含む動詞」の進行形
継続を含む動詞には「know/have/love/feel/see/hear」などがあり、「have」のように継続を含む意味(所有)と含まない意味(食べる)を併せ持つ動詞もあります。「継続動詞」は基本的に進行形にしませんが、以下のようなケースもあります。
▼強調したい場合
・I feel great. (いい感じだね)
・I’m feeling great! (いい気分だよ!)
※「feel」のような感覚を表す動詞は通常進行形にしないが、後者では気分の良さが強調される
▼意味で使い分け
・ I have a pen. (私はペンを持っている)
・I’m having dinner.(私は夕食を食べているところだ)
※上の「have」は所有を示し基本的に進行形にしないが、下の意味(食べる)なら通常の進行形を作れる。
▼そのほかの「-ing」(※参考)
・ Loving each other will save the world. (愛し合うことは世界を救うだろう)
・ Knowing his honesty, we trusted him.(彼の正直さを知っていたので、僕たちは彼を信じた)
※「love」は基本的に進行形にしないが、下の「loving」は動名詞。「-ing=進行形」とは限らない。
※「know」は基本的に進行形にしないが、下の「know」は分詞構文。「-ing=進行形」とは限らない。
状態・継続の意味を含む動詞も、その他の役割で普通に「-ing形」を作れます。「継続の意味を含む動詞=ing形にならない」ではないので注意しましょう♪
現在進行形を学ぶ
それでは、「be動詞 + 一般動詞-ing」からなる現在進行形の例文を見ていきましょう。習慣・状態を表す現在形の文と、そこから作れそうな現在進行形の文例をセットで書いておきました。なお、現在進行形の文は、その文しか作れないと言う訳ではなく、あくまで例です♪
◆現在進行形の例文を見てみよう!
進行形は、以下の様に「 be動詞 + 動詞のing形」で作ることができます。今回は現在進行形なので、「be動詞」は現在形の「is/am/are」のいずれかになります。文の主語を見て適切な「be動詞」を選びましょう。動詞に「-ing」を付けるのも忘れずに♪
① I play tennis every day.(私は毎日テニスをする習慣があります)
→ I am playing tennis now. (私は今、テニスをしているところです)
※「継続している動作」を表す現在進行形。
② They are good friends.(彼らは友達です)
→They are being angry with each other.(彼らはお互いに対しておかんむりです)
※「一時的な状態」を表す現在進行形。「一時的にお互いに腹を立てている」の意
③ He studies English. (彼は英語を勉強する習慣があります)
→He is always studying English. (彼はいつも英語を勉強してばかりいる)
※頻度を表す副詞と一緒になり「反復」を表す現在進行形。呆れや賞賛、非難などの感情を含みうる。
④ I will leave here soon. (私はもうじきここを発つ予定です)
→I am leaving here soon. (私はもうじきここを発つ予定です)
※往来発着の動詞を進行形にすることで、「未来の予定」を表す現在進行形
現在進行形の意味は何パターンかありますが、「be動詞+動詞の-ing形」の作り方は共通です。何度も繰り返し練習して、作り方を定着させましょう!
過去進行形を学ぶ
過去進行形も、①進行中の動作・出来事、②一時的状態、③反復的行動・傾向、④未来の予定を表すことができます。なお、過去進行形における「未来の予定」とは、「(過去時点で)~する予定だった、~するつもりだった」を意味します。
◆過去進行形の例文を見てみよう!
進行形は、以下の様に「 be動詞 + 動詞のing形」で作ることができます。今回は過去進行形なので、「be動詞」は過去形の「was/were」のいずれかになります。文の主語を見て適切な「be動詞」を選びましょう。動詞に「-ing」を付けるのも忘れずに♪
① I played tennis every day.(私は毎日テニスをした)
→ I was playing tennis then. (私はそのとき、テニスをしているところでした)
※「継続していた動作」を過去進行形。
② They were good friends.(彼らは友達です)
→ They were being angry with each other.(彼らはお互いに対しておかんむりでした)
※「一時的な状態」を表す過去進行形。「一時的にお互いに腹を立てている」の意
③ He studied English. (彼は英語を勉強した)
→ He was always studying English. (彼はいつも英語を勉強してばかりいた)
※「反復」を表す過去進行形。頻度を表す副詞を伴う。「呆れ、賞賛、非難」などの感情を含みうる。
④ I was going to leave two days later. (私は2日後に出発する予定だった)
→ I was leaving two days later. (私は2日後に出発する予定だった)
※「(過去時点での)未来の予定」を表す過去進行形。「往来発着の動詞」を進行形にする。
現在進行形と過去進行形は、使う「be動詞」や文中によく出てくる単語(now(今)→then(そのとき)など)が異なるだけで、同じ使い方ができますよ♪
未来進行形を学ぶ
未来進行形は、「will + be + 動詞の-ing形」で作ることができます。意味としては、①未来の時点で継続している動作や出来事を表現できるほか、②未来の予測・予定も表せます。
◆未来進行形の例文を見てみよう!
未来進行形では、助動詞「will」を「be動詞」の直前に置くため、「be動詞」は主語に関わらず原形の「be」で固定されます。その後ろに「 動詞-ing」を付ければ未来進行形のできあがり♪「未来時点で継続する動作」や「未来の予定」を表現できます。
① I will be sleeping about this time tomorrow. (明日のこの時間、僕は眠っているだろう)
※「明日のこの時間」という未来時点で、自分は眠っている(睡眠状態が継続している)と言っている。
② We will soon be arriving at Tokyo. (私たちは間もなく、東京に到着します)
※「未来の予定」を表す未来進行形。電車のアナウンスなどで聞いたこともあるのでは?
未来進行形には助動詞が入る分、現在・過去進行形に比べると難しく感じられるかもしれません。まずは現在・過去進行形をマスターしましょう!
確認クイズに挑戦!
それでは、進行形の理解を試す確認クイズに挑戦してみましょう!過去、現在、未来とバリエーションがあるので少し難しいかもしれませんが、全問正解目指して頑張ってください!
答え:I am playing soccer with my friends now.
「今~しているところです」という訳から、現在進行形だと分かる。現在進行形は「 be動詞 + 動詞の -ing形 」で作れる。今回の主語は「I」なので、使うべき「be動詞」は「am」。動詞は「(サッカー)をする」なので「play」を用い、「-ing形」は「playing」。
これらのことから現在進行形は「I am playing soccer…」となり、あとは適宜必要な語句を足して完成。なお、現在進行形に「now」は頻出なので覚えておこう。
答え:It will be snowing when you come home.
未来進行形は「will + be + 動詞の -ing形」で作られる。文の主語は、文法ルール(天候などを表す際は形式主語「it」を使う)で「it」となる。「雪が降る」を表す動詞は、「snow」。従って、「雪が降り続いているだろう」は、「It will be snowing」となる。
「君が帰宅するとき」は、whenを使って表せる。これは未来の話だが、「君の帰宅」は当然起こると言う前提で話をしているので、未来のことでも現在形を用いる(「時を表す副詞節」の中では、未来の話でも現在形を用いる)。従って「when you come home」。
これら二つを繋げて、「It will be snowing when you come home.」となる。
答え:Ken was studying English then.
「~していたところだった」は過去進行形で表せる。過去進行形は「 be動詞 + 動詞の -ing形 」で作れる。今回の主語はケンという男性単数なので、使うべきは「was」となる。「study」の「-ing形」は「studying」。目的語(English)と「そのとき」を表す「then」を足して完成。
答え:They are always joking around.
現在進行形が「always」などの頻度を表す副詞を伴う時、「いつも~してばかりいる」という意味になる。この用法では話者の感情が含まれることがあり、非難・賞賛・呆れなどがあり得る。
現在進行形は「 be動詞 + 動詞の -ing形 」。主語は「彼ら」で「they」、動詞は「ふざける」で「joke around」。主語が複数なので「be動詞」は複数対応の「are/were」のいずれかだが、時制が現在なので「are」が正解。「always」を適切な位置にいれて完成。
答え:You were being mean.
一時的な状態は進行形で表せる。今回は時制が過去なので、過去進行形を用いる。過去進行形は「 be動詞 + 動詞の -ing形 」で表せる。主語はyouなのでbe動詞は「were」。動詞は「S=Cの第2文型を作るbe動詞」であり、その「 -ing形 」は「being」となる。
さいごに
進行形には様々なパターンがありますが、基本的な作り方は変わりません。進行形を作る「be動詞+-動詞の-ing形」と「-ingのつけ方」が身に付けば、進行形など恐るるに足りません。パターンを覚えるため簡単な文を自分で作る練習をすれば、定着速度も早まるでしょう!