英語で疑問を表す手法は多岐に渡りますが、まずはYes/Noで答えられる疑問文を作れるようになるところから始めましょう。この疑問文を作る力が身に付けば、多くの疑問文に応用していくことができますよ!今回の記事の内容を押さえて、基本を身につけましょう♪
疑問文の作り方を学ぶ
まずは疑問文ではない通常文(平叙文)の構成をおさらいし、その後で疑問文の作り方を学びます。なお、以下で紹介する基本ルールには完了形での疑問文など当てはまらないケースもありますが、それは数少ない例外として考えます。大抵の疑問文は、基本ルールの応用で作れます。
平叙文での文の並び(おさらい)
英語において、通常文(平叙文)では「命令形」や「倒置」などの一部例外を除き「S + V …」で文が始まります。平叙文に使われる動詞には大別して以下の3パターンがありますが、平叙文を作る際に適用される語順ルールは全て同一であり、「S + V … . 」となります。
◆通常文(平叙文)の3パターン
①be動詞 … I am Ken. (私はケンです)
②一般動詞 … I study English every day. (私は毎日、英語を勉強します)
③助動詞+be動詞 … It may be true. (それは本当かもしれない)
③’助動詞+動詞 … Ken can understand English. (ケンは英語を理解できます)
※赤字部分が動詞(V)。助動詞とセットになる動詞は「be動詞」または「一般動詞」
疑問文の作り方
英語で疑問文を作る際は、まずは以下の共通ルールを覚えることが重要です。以下に記したように、疑問文では平叙文のときと「S」と「V」の順番が入れ替わり、「V」が先頭に来ることになります。以下で、語順以外のルールも合わせて確認していきましょう。
このルールにそって、実際に平叙文で紹介した3例文を全て疑問文にしてみましょう。疑問文の共通ルールによれば、英語で疑問文を作る際は「S V」の順番を入れ替え、「V S」の順番にする必要があります。それではこれを、実際にやってみましょう!
◆上記例文を疑問形にしてみると…
▼I am Ken. → Are you Ken?
▼ I study English every day. → Does Hanako study English every day?
▼Ken can understand English. → Can Ken understand English?
※青字動詞が原形なのはそれぞれ、①Doesが三単現を表しているため、②Canの影響を受けているため
ルール通り、全ての文で動詞が先頭に出ています。なお、一般動詞メインの文を疑問文にする際は、主語や時制に応じDo/Does/Didを先頭に出します。また、原則的に疑問文では一般動詞(上例での青色の動詞)は、原形を用います。これは、助動詞を使った疑問文でも同様です。
疑問文への答え方
基本的な考え方は「丁寧な返答を省略する」です。例えば、「Does Ken play tennis?」にYesなら「Yes, Ken plays tennis.」が丁寧ですが、返答では単語の繰り返しを避けるため「Ken」と「plays」を置き換え、「Yes, he does.」とします(「does」=「plays tennis」)。
疑問文に答える際に「はい」「いいえ」で答えを始められる場合、YesまたはNoを文頭に出し、その後に主語(S)、動詞(V)と続けます。Yesで始まるなら後に続く「S V」も肯定文、Noならば続く「S V」も否定文です。冒頭のYes/Noと、続く「S V」の肯定・否定は揃います。
◆疑問形への答え方
be動詞 …… Are you Ken? → Yes, I am. / No, I’m not.
一般動詞 …… Do you study English every day? → Yes, I do. / No, I don’t.
助動詞 …… Can Ken understand English? → Yes, he can. / No, he can’t.
※Yesで始めた場合は肯定文、Noの場合は否定文が続く
💡返答文の主語の決め方
Yes/Noの後に続く主語には、主格の人称代名詞(I/you/we/she/he/they/it)を入れます。返答文では繰り返しを避けるため、代名詞で置き換えられるKenやTomのような固有名詞が入ることはありません。また、主語が物を表す際には、「it」または「they」で受けます。
◆返答文の主語の決め方
疑問文の主語を指し示す、適切な単語(I/you/we/she/he/they/itなど)を使う。
Is this a pen? → 〇 Yes, it is. ×Yes, this is. (主語は単数=「it」で代用)
Are Tom and Jerry friends? → 〇 Yes, theyare. × Yes, Tom and Jerry are. (主語は複数=「they」で代用)
💡返答文の動詞の決め方
また、主語に続く動詞には、be動詞が先頭の疑問文への返答では、先に決めた返答文の主語に続く適切な「be動詞」(is/am/are/was/were)を用います。また、Do/Does/Didが先頭の疑問文への返答でも、先に並べた主語を受ける適切な動詞(do/does/did)を用います。
◆返答文の動詞の決め方
疑問文に含まれる動詞の種類によって、「be動詞」、「動詞(do/does/did)」または「助動詞」を用いる。なお、時制や主語に対応する形を用いることも忘れずに。
Was that good? → 〇 No, it wasn’t. ×No, it isn’t. (疑問文と同じく答えも過去形に)
Were Tom and Jerry fighting? → 〇Yes, they were. ×Yes, they wasn’t (theyは複数なのでwasは不可)
Does he play tennis? → 〇 No, he doesn’t. × No, he do. (主語に合わせて三単現の「s」をつける)
Did he play tennis? → 〇 Yes, he did. × Yes, he does. (過去形では、三単現のsは不要)
Can he understand English? → 〇No, he can’t. × No, he doesn’t (助動詞で聞かれたら、助動詞で答える)
これらが、疑問文の作り方の基礎でした。以降では、「be動詞」「一般動詞」「助動詞」を用いた疑問文の作り方を、個別に見ていきましょう。
1. 「be動詞」を使う疑問文
まずは、「be動詞」を使った文をみていきましょう。
疑問文の作り方
「be動詞」の疑問文は、基本ルールに忠実です。つまり、「be動詞」を文の先頭に置き、もともとの文の主語をその後ろに置けばOKです。以下の例文で疑問文の作り方を確認しましょう。
返答文の作り方
疑問文に対しての返答の仕方も、基本ルール通りです。
2. 「一般動詞」を使う疑問文
それでは次に、一般動詞を使った文をみていきます。
疑問文の作り方
一般動詞を含む文の疑問文も、「V S…?」の並びで作ります。ただし、先頭に出す「V」には、一般動詞そのものではなく、主語や時制に応じて「Do/Does/Did」を使います。時制が現在なら主語の単・複に応じて「DoまたはDoes」、過去の場合は主語に関わらず「Did」の出番です。
「Do/Does/Did」のいずれかを先頭に出して直後に主語を置き、基本ルール通りに「V S …?」を作ります。なお、主語の次に来る一般動詞(例では「study」)は原形になることを覚えておきましょう。三単現や時制の影響は、Does/Didが引き受けてくれるからです。
「Does」や「Did」はある意味では頼れる兄貴? 平叙文では一般動詞がやらなくてはいけなかった変形仕事を引き受け、矢面(文頭)に立ってくれます♪
返答文の作り方
返答文の作り方は、基本ルール通りです。返答文の主語は疑問文の主語を指す代名詞を用います。返答文で使う動詞は、主語と時制に応じ「do/does/did」のいずれかを使います。なお、疑問文が分かっている場合は、疑問文先頭の単語(do/does/didのいずれか)を使いましょう。
3. 「助動詞」を使う疑問文にする
さいごに、助動詞を使った文を見ていきましょう。
疑問文の作り方
助動詞を含んだ文を疑問形にする際は助動詞を先頭に出し「V S …?」を作ります。なお、平叙文で助動詞の後ろに続く動詞は原形になりますが、これは疑問文でも同様です。なお、一部の助動詞を使った疑問文は、助動詞本来の意味を離れて「依頼」を表すことがあります。
このように、助動詞を先頭に出して疑問文を作ります。助動詞とセットで使う動詞は、疑問文の主語や時制に関わらず原形です。なお、「will」と「can」の過去形(Would/Could)を用いた疑問文は「より丁寧な依頼」を表し英会話では頻出なので、余裕があれば覚えておきましょう。
「助動詞」も頼れる兄貴? 平叙文では一般動詞がやらなくてはいけなかった仕事を引き受けてくれます。「一般動詞」は、かなり世渡りが上手いのかも?
返答文の作り方
返答文の作り方は、基本ルール通りです。返答文の主語には、疑問文の主語を示す適切な代名詞を用います。また、返答文の主語に続く動詞には、疑問文にある助動詞をそのまま使います。
疑問文でよく使う助動詞としては、「can」「will」「may」「should」などがあります。ただし、「will」は「Will you…?」とすると「依頼表現」として取られがちです。予定を尋ねるなら、「Are you going to…?」や「Will you be doing…?」を使った方がよいですね。
確認クイズに挑戦
それでは、疑問文の作り方に関するクイズをやってみましょう。序盤はヒントとなる平叙文を置いていますが、中盤以降は日本語のみです。少し難しいかもしれませんが、挑戦してみましょう♪
答え:Does Taro study English every day?
平叙文の中で使われている動詞は「Studies」、つまり一般動詞。(助動詞なしで)一般動詞を含んだ文を疑問形にするときは、一般動詞の代わりをする「do/does/did」のいずれかを用いる。今回、文の時制は「現在」で主語はTaroで「三人称単数」なので、「does」を使う。
疑問文の作り方は基本ルール通り、「V S …?」である。従って、「Does Taro…?」という並びを作る。SとVを入れ替えたら、あとは平叙文をくっつけて完成。ただし、「Does」が三人称単数を示す役割を引き受けてくれるので、「studies」は「study」と原形に直す。
答え:Are Tom and Jerry on the table?
平叙文で使われているのは「are」、つまり「be動詞」。「be動詞」が使われている文の疑問文は、「be動詞」を先頭に出して直後に主語を置き、あとは平叙文の流れを踏襲すればよい。
答え:Did Tom run very fast?
平叙文で使われている動詞は「run」の過去形「ran」。「ran」は一般動詞の過去形なので、代用として「did」を用いる必要がある。この文の主語は、明らかにTom。従って、疑問文を作る並び「V S …?」を作ると「Did Tom…?」となる。以下は平叙文と同じ並びで単語を並べればよいが、文頭のDidが過去時制を引き受けてくれるので、一般動詞は過去形にする必要がなくなり「run」に戻す。
答え:Is Tom a teacher? No, he isn’t.
「トムは先生です」を表す平叙文は「Tom is a teacher.」。文中で使われている動詞は「be動詞」であると分かる。この文を疑問文にするためには、「be動詞」を先頭に出して直後に主語(S)を置き、あとは平叙文と同じ流れを続ければよい。
疑問文を否定する場合、まずは疑問文の主語を表す単語を考える。疑問文の主語はTomであり、第三者であると言う条件設定がある。このため、Tomを「I」や「you」で置き換えるのは不適当。Tomは男性名と考えられるので、Tomを置き換える代名詞は「he」だと分かる。「he」に対応する「be動詞」は「was / is」だが、疑問文の時制は現在であるため、ここでは現在形の「is」を用いるのが正しい。否定なのでnotを続けて完成。
答え:Does Hanako like tennis? Yes, she does.
「花子はテニスが好きです」を表す平叙文は「Hanako likes tennis.」で、使われている動詞は「like」。これを置き換えるためには「do/does/did」のいずれかを用いる必要がある。平叙文の主語は「Hanako」、つまり三人称で時制は現在なので「Does」を使うのが適当だと言える。(※「likes」と三単現の「s」があるから「Does」と考えてもよい)。
返答文で使う主語は、肯定文の主語を適当な形で置き換えたものになる。ここでは「Hanako」は第三者と指定があるため「I」や「you」は使えない。そこで、「she/he/we/it/they」などの代名詞が候補となるが、「Hanako」は女性名なので女性を表す代名詞「she」を用いるのが正解。主語に続く動詞については、疑問文の先頭に「does」があるため、それに揃えて「does」となる。
さいごに
疑問文を作る際は動詞を文頭に持ってきますが、単純に動詞そのものを持ってこれるのは「be動詞」だけ。それ以外は「do/does/did」や「助動詞」が先頭に来ます。なお、主語の次に「一般動詞」が来る場合、今後学ぶ完了形などの例外を除き、その動詞は原形を用います。